うたすと2【Simply】|絵本ストーリー
こちらの曲からの二次創作です。
歌詞 : 八神夜宵さん
曲・歌 : 大橋ちよさん
仲良しの二人は、何をするのもいつもいっしょ。
朝起きるのも
歯を磨くのも
顔を洗うのも
学校にいくのも
お弁当を食べるのも
お昼休みに遊ぶのも
家に帰るのも
寝るまでおしゃべりするのも
ずっとずっといっしょ。
ある日、
ひとりがみんなの輪に入って、ポツンとなった。
ぼくも..
でも、みんな背中を向けていて笑っていて
ぼくなんかいなくても楽しそうで
入れて、って言えなかった。
もう、いっしょじゃなくてもいいんだね…
その夜、ヒトリは一人で星を眺めていました。
「あーあ、明日も一人かな…一人ってつまらないな。あんなヤツ、もう笑えなくなっちゃえばいいのに」
その時、夜空をひとつの星が流れていった。
次の日、ヒトリで歩いていると、もうひとりが一人でうずくまっていた。
「どうしたの?」
「ボク、笑えなくなっちゃった。それだけじゃなくて、喜ぶことも泣くこともできないんだ..」
よく見ると、その顔には表情がありません。
昨日、ぼくがお星さまにお願いしちゃったから…
ヒトリはどこへともなく駆け出しました。
でも、笑顔を取り戻すなんてどうすればいいのでしょう?
どこへ行ってもそんなものは売っていません。
ふざけるな、と怒られることも。
楽しいときも、笑うときも、泣いてるときも、
いつもいっしょだったのに..
ヒトリはぽろりと涙をこぼしました。
この涙をあげることができたら…
そうだ!
ヒトリは何か思いついて引き返していきました。
一人ぼっちのひとりのところへ、
ヒトリが戻ってきました。
「ぼくの笑顔を半分あげるよ!笑顔は一つじゃないから、半分こしたって平気だよ。泣いてる顔も、怒ってる顔も、全部半分こしよ?」
もうひとりがおそるおそる笑顔に手を伸ばすと、ひとりの体の中に吸い込まれていきます。ひとりはようやく笑顔を取り戻すことができました。
「ありがとう😊」
「ううん、ぼくこそごめんね🥲今度はぼくも仲間に入れてくれたら嬉しいな☺️」
それから二人は、二人だけでなくみんなでも遊ぶようになりました。晴れの日だって雨の日だって、笑ったり、泣いたり、怒ったり。それは、一人では作れない自分。
ひとりひとりの橋をたくさん合わせて作る、大きな虹の橋。それを渡って、もっともっとたくさんのかけがえのない自分に出会いにいこう。
【うたすと2】は、二次創作イベントです🎵
楽曲を元に、『小説』『俳句』『短歌』『詩』などであなたの世界へ広げてみませんか?(๑•̀ㅁ•́ฅ✧