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プトレマイオティック23区〜東京の西に何があるのかアナタだけにお教えします
かつて東京といえば23区のみを指し「区民にあらずば都民にあらず」というようなおごる平家的言説があった。貴族たちは23区の西は滝になって落ちてると本気で思っていたのだった。
現在に生きる我々は、東京の西には人々が住んでいると知っている。23区が終わると市がある。たとえば多摩のベッドタウンだ。さらに西へ足を伸ばすと奥多摩が広がっているという、しかし奥多摩の西になにがあるのかを知るものはなかった。シーサーペントがいるのだという者、いやモケーレ・ムベンベが生息するのだという者、これらはほとんど神話の世界だった。
科学による啓蒙は別の可能性を示す。水平線の向こうの高い塔に近づいていくと、塔の上の方から視界に入ってくるのだ。これはつまり大地が球体である証左にほかならない。マゼラン一行は、この論説を頼りに奥多摩の西へ西へ歩を進めていった。見たことのない動植物がマゼランたちを出迎え、動物学者・植物学者は興奮した。新しい薬草学も生まれた。さらに西へ向かうと、水夫たちは怯えだした。これ以上進めば滝になって落ちる、と。マゼランは水夫たちをシャンパンでなだめすかさなければならなかった。十と一月、さらに西へ進むと、高い塔の上部が見えてきた、タワーマンションである。マゼランたちは、ついに港区にたどり着いたのだった
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