NPSを活用してプロダクトを改善する
みなさんこんにちは。
プロダクト担当者向けに、「使われない機能をゼロにする」ためのツール開発や支援を行っている、株式会社INVOXの佐藤です。
今回は、Net Promoter Score®️(以下、NPS)を活用してプロダクトを改善していくための取り組みについて書いていこうと思います。
0. NPSとは?
NPSとは、プロダクトを親しい知人にどれほどお勧めしたいかを表す推奨意向度のことであり、ユーザーのロイヤリティを測定するための一つの指標です。
米国経済誌「フォーチュン誌」が選出した世界の企業番付「フォーチュン500」の企業のうち、3分の1以上がNPSを活用しているそうです。
NPSについて詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
1. 何ができるのか?
NPSは様々な場面で活用できますが、今回はプロダクト開発を行う上での話に絞って書いていきます。
結論から言うと、既存のユーザーがプロダクトを利用する上で不満に感じている点を機能単位で洗い出すことができるようになります。
2. どう計測するのか?
NPSは基本的にユーザーにアンケートに回答してもらう形で計測します。
誰に回答してもらう?
プロダクトを利用していて、かつできるだけバイアスをかけないことが望ましいです。
例えば、直近xx日以内にログインしたユーザーをランダムサンプリングする、などです。
NPSは定期的に取得して過去のスコアと比較することも多いので、ターゲットの条件はなるべく変更しない方がいいです。
どんなアンケートにする?
NPSは当然聴取しますが、それ以外にはNPSを高く / 低く評価した理由をフリーテキストで聞くことをお勧めします。
何百ものコメントを読むのは骨が折れる作業ですが、ユーザーの肌感を掴むのには非常に価値のあるデータです。
また、以下で詳細に説明しますが、各機能の利用体験における満足度を聴取することで、NPSとの相関を見た上でどの機能を改善すべきか把握することができます。
3. どう活用するのか?
NPSと各機能における満足度を計測すると、それぞれの機能を以下の4つの象限に分類することができます。
横軸
各機能の満足度の平均値を表しており、満足度が高いほど右へいきます。
縦軸
各機能の満足度とNPSの相関の大きさを表しており、相関が大きいほど上へいきます。
4つの象限について説明します。
改善すべき機能群(優先度高)
この象限にある機能は、満足度平均が低くNPSに与える影響が大きいです。
NPSを下げる要因となっている可能性があり、機能改善を行うことでNPS向上が見込めます。
改善すべき機能群(優先度低)
この象限にある機能は、満足度平均は低いがNPSに与える影響は小さいです。
満足度が低いことには変わりないので機能改善は必要ですが、機能の性質によっては仕方ない場合もあります。
訴求すべき機能群
この象限にある機能は、満足度平均が高くNPSに与える影響が大きいです。
プロダクトを推奨する際の要因になっている可能性があり、利用者が少ない場合は積極的に訴求していくことでNPS向上が見込めます。
維持すべき機能群
この象限にある機能は、満足度平均は高いがNPSに与える影響は小さいです。
満足度が高くて当たり前だと思われていることが多く、逆に満足度が下がるとNPSに悪影響を及ぼす可能性があるので、満足度を下げないように維持する必要があります。
4. どう改善するのか?
改善すべき機能が見つかったあと、どのような施策を実施すれば良いのでしょうか。
フリーコメントなどからも原因がわからない場合、適切な対象者へユーザーインタビューを行います。
NPSはアンケートで計測するので、アンケートの最後にインタビューへの許諾を取っておきます。
そうすることでいつでもインタビューができるリストが手に入り、かつどの機能に満足しているか、不満を持っているかが一目でわかります。
特定の機能改善を実施したいときに、適切なユーザーを探し出し、なぜ不満を持っているのか、どういった状態になれば不満が解消されるのかを深掘りしていきます。
NPSを定期的に計測することは、改善点を洗い出すだけではなく、インタビューリストを常に持っておくことにも役に立ちます。
最後に
NPSを活用するとプロダクトの改善を効果的に実施することができます。
INVOXでは、今回ご紹介したNPSやその他の様々な指標について、正しく計測や分析ができるようなツールの開発、及び支援を行っています。
ツールの利用に興味がある方
現在はβ版開発に向けて協力していただける方を募集していますので、ご興味がある方は以下より事前申し込みをお願いします。
支援に関する相談をご希望の方
どのような支援が可能かご相談から可能ですので Facebook や Twitter 、メール(info@in-vox.com)等で気軽にご連絡ください。
番外編
今回はプロダクトに限ってNPSの活用方法をお伝えしましたが、カスタマーサクセスやマーケティングにおいても活用することができます。
カスタマーサクセス
アンケートでは、カスタマーサクセスのオンボーディングに対する満足度なども計測することができます。
そうすることでそれぞれの機能と同様に、改善すべき体験なのかが明らかになり、どの企業(ユーザー)が不満を持っているのかも明らかになります。
また、単純にNPSが低い企業(ユーザー)を特定し、フォローに入ることもできます。
マーケティング
ロイヤリティの高いユーザー属性を特定し、リファラルキャンペーンを実施したい場合などがあります。
NPSと属性データを組み合わせることによって、ロイヤリティの高いセグメントに対して施策を実施することができます。
また、広告配信を行う際にも、ロイヤリティが高くなりそうなセグメントをターゲティングすることができ、効果的な施策を実施することができる可能性があります。
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