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《映画感想》winny

 なんの知識もなく、前情報もなく観たので、実話である事も、実際の金子さんという方のことも何も存じ上げていなかったことを申し訳なく思いました。

 私はネットのイロハを何も知らない人間なので、正直このwinny事件というものも知らなかった位です。ごめんなさい。

 観ている途中で入ってきたオタクな夫が、これってwinny作った人の話?と何やら色々解説をしてくれ、ふーんと聞いたものの、その凄さも、事件の重大性もよく分からずでした。

 ヒューマンドラマとして観ていた私の感想としては、ただ純粋に技術を極め、自身の探究心に突き進んだ1人の人間が、技術を悪用しようとする社会と、新しいものを畏怖する古い日本人思想に潰されてしまう話として捉えました。

 人は1人では生きていけない。1人で技術を開発している時の金子さんは自由で楽しそうだった。でもその技術には使う人間がいる。その人間の思想や使い方は様々でコンピューターの様に制御は出来ない。
 それはインターネットの世界だけではなく、軍事技術や、医療技術、様々なものに同様の事で、核や麻薬や不妊治療などなど、技術の進歩には光も影も存在する。素晴らしい技術も使う人の思想や倫理によって善にも悪にもなり得る。

 技術の進歩なくては現代という今は存在してないが、新しいものを生み出す技術者という人々はそれらを正しく理解し、使える社会に産み落とすという責任や葛藤も伴うのだろうと技術に対する尊敬と畏怖を感じる。

 何が正解でどこに間違いがあったのか。私には分かり得ないし、考えても分からないことばかりだが、最後の金子さん本人の映像からは、技術の進歩や今後の日本の発展を願う純粋な思いを感じた。

誰が悪いとか何が悪いとかでは先には進めない。
どうしたらより良くなれるのかを考えていく事が大切である。という思い。


サイドストーリー(?)として進んでいた、警察の裏金事件は何を伝えたかったのか。メインのストーリーだけで十分だと感じたが、その意図は何なのか。。
裏金事件を暴露した仙波さんという人。
調べたらその事件も実話だった。

そうか。意図とか無いのか。
全て事実。
仙波さんの裏金事件があったから、Winnyが事件として槍玉に上がり、裏金の事実を暴露しようとしているテロリストとして金子さんが捕まってしまったという事実がそこにあるだけなのか。

悪事を働く後ろめたさがあるからこそ、それを暴露される可能性のある技術に対する強い畏怖が高まったということ。

匿名性のある投稿をされる事が不利益になる日本人が多かったという事がWinnyを脅威に見せたという事。


純粋で悪のない人間が結局は1番強いんだろうな。どんなにお金があって偉い立場にいる人も一つでも悪いことをしていたらそれは弱点になり得る。


今の社会は失敗を許さない。どんな成功者も過去の弱点をSNSでひと刺しされれば消えてしまう。

失敗できないという社会は、極端に成功しようとも出来ない社会。だからこそ今の日本は突出した成功者がいないのかもしれない。

出た杭は社会によって集団的に潰される。
現代のSNSの匿名コメントによる問題も通じている事なのかもしれない。自分が何者かを明かさずに真実を晒すヒーローばかりではない。
匿名性を盾にして悪いことをする人もたくさんいる。

どんな技術も使う人次第で光にも闇にもなる。

自分はどうするか。
人は1人では生きていけない。地に足をつけ社会的なつながりを持つ事が大切。
SNSによる繋がりが広がる世の中だけど、片翼に偏ったつながりだけではいけない。
直接的な人との繋がり、顔の見える範囲の人との繋がりを大切にしていくことが大切なのだと感じる。


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