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マジックアイテムとわたし
物心ついた時には、魔法があった。
魔法のアイテムで変身して戦う、女の子たちがいた。
当然のようにハマったわたしは、カレーを食べてコースターを集めたり、お菓子についているおまけを集めたり、シールを鉛筆削りに貼って楽しむ幼少期を過ごしていた。
サリーちゃん、アッコちゃんの再放送もあったし、クリーミーマミーもほんのり覚えている。
わたしは魔法少女に、とりわけその魔法少女たちが使うアイテムに憧れた。
アニメ版の赤ずきんチャチャでは、チャチャにも惹かれたけれど、しいなちゃんが持っている指輪にものっすごくときめいた。
コメットさんではバトントワリングにドキドキしたし、コレクターユイはイニシャライズさせてほしかったし、CPさくらの鍵の杖はツボすぎて怖かった(キービジュだけ知っててアニメ自体は最近観た)
レイアースの成長する武器防具はテンション上がるしかなかったし、魔法少女とは違うけれどウテナの胸から抜く剣にもめっちゃ惹かれた。
勿論セラムンのブローチもステッキも欲しかった。せつなさんが出てからはガーネットロッド欲しすぎてごろごろした。
けれど、そんな素敵アイテムのおもちゃを、実際に買ってもらうことはなかった。
誤解が無いように言うと、これは親が買ってくれなかったからではなく、わたしが買ってほしいと一度も言わなかった結果で。
姫ちゃんのリボンにも憧れて、市販の赤いリボンバレッタにおもちゃの宝石を付けてもらい、それ風として楽しんでいた。そのくらいはしていた。
でも、本物を買うのはどうしても抵抗があった。
要は気恥ずかしかったのだ。
親は察して何度も買う?って聞いてくれた。わたしはそれにいらないと答えた。幼女なんだから大手を振って買って貰えばよかったのに、何だかさっさと芽生えてしまった羞恥心がそれを良しとしてくれなかった。サプライズでもあったら違ったのかもしれないが、親は優しかったので、律儀に次点の要求を叶えてくれていた。
結果。
今、大変拗らせている。
変身アイテムが欲しい。
攻撃ステッキが欲しい。
神具とか神器とか持ちたい。
ちょっとなんかこっそり呪文とか唱えてポーズ決めたい。
本当はコスプレだってしたい。
しかし今は体型の残念な子持ち主婦である。
息子は可愛いもの自体は好きだが、女児アイテムへの興味は残念ながら芽生えなかった。
そして息子は、欲しいものは何でもガッツリ主張する子だった。
ライダーやらなんやらの変身アイテムを使って真剣にポーズを決める息子を見ていると、わたしもこうしてればよかったんだなぁという気持ちになる。
ここ数年、ガチャガチャでそういう過去作品のミニアイテムみたいなのが出るようになった。
こっそりレイアースのガチャガチャをやってみたら、風ちゃんの剣のミニチュアが出た。
なんだかすごく嬉しくて、手のひらにおさまるそれを、お守りのように持ち歩いた。
それ以来、ガチャガチャのコーナーを見るたびに、そういうのがないか探してしまう。
必ずしも出会えるわけではないけど、たまに出会える小さなときめきアイテムたち。
大人になったわたしには、このくらいがちょうどいいのかもしれない。
いつかせつなさんのガーネットロッドが手に入ったら、その時はこっそり一人で、『破滅喘鳴(デッド・スクリーム)』って唱えようと思う。
その日が来るのを、待っている。