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人を頼ること、断ることができないと大変だと感じた話
今年の元日に観た映画『グランメゾン・パリ』、印象に残ったセリフは「尾花は人を頼るのが下手ね。」という言葉。
これはキムタク演じる尾花夏樹とお店のスタッフが三ツ星レストランを目指すお話です。
自身の能力が高過ぎるからか、周りのスタッフは付いていけず、尾花もそんなスタッフを信用せず何でもかんでも自分でやろうとしてしまう。
結局、自分一人で出来ることには限界があり、周りのサポートの重要性に気が付いた尾花はスタッフにチカラを貸してほしいと頭を下げます。
その時のスタッフの一人から出てきた言葉が『人を頼るのが下手!』
あ〜、自分も仕事で人を頼ることが出来ず、余計なものを随分抱え込んでいたなあと思いました。
しかも自分は尾花夏樹のように秀でた才能は何もありませんが…
人を頼ることができない場合、2つのパターンがあるかなと思ってます。
先ず、自分の能力が高く、誰かに頼むより自分でやった方が早いし成果も出やすい。
実際そういう上司を何人か見てきました。
それだと組織で働く場合、経験の浅い人が育つ機会を奪うことになってしまいますね。
失敗しても次につながるようにとか、長い目で見る余裕というかゆとりは実際のところあまりありませんね。
そして2つ目は人に遠慮してしまって頼めない。
僕はこのパターンです。人に嫌われたらどうしよう、迷惑がられたらどうしようと考えてしまいます。
自分一人でまかなえれば問題はないのですが、抱えきれないと最悪精神を病んでしまいますね。
よく自分が苦手なことは出来る人にお任せし、自分が得意なことをやれると良いと言わますね。
確かにその通りだと思います。それが出来るのが理想です。
でも人の目を気にしてしまうからそれが出来ないんですよね〜。
同様に人から頼まれたことを断ることも苦手です。
決して自分に余裕があるわけでもないのに、むしろ手一杯な状況でも、頼まれたら断れず受け入れてしまうことが過去に多々ありました。
初めて聴いた時、凄く印象的だった言葉があります。
『日本人は人に迷惑を掛けてはならないと教わる。一方、インドでは人は生きていれば誰かに迷惑を掛けるもの、だから自身も人にお世話するようにと教わる。』
小さい頃から、失敗したらダメ、あれしたらダメ、これしたらダメって言われてきました。
学校の規則もそれは何のため?というようながんじがらめのルールに縛られてました。
そうするとちょっとはみ出したことに挑戦してみるって出来なくなります。
そんな人生もったいないですね。
挑戦してみて応援されたら嬉しいし、逆に人の挑戦を応援出来たらどんなに良いでしょう。
そういうのが出来れば人を頼ったり頼られたりということも出来るのではないでしょうか。
人を頼ったり頼られたりすることが出来れば、自分が無理なことは断りやすくなるのではないでしょうか。
昔の僕は人を頼ることも断ることも出来ず、一人で抱え込むことが結構ありました。
今、ジムの仕事は基本ワンオペです。
日によっては一人で対応出来ないくらいたくさんの会員さんが来て下さいます。
そんな時はベテランの信頼している会員さんに頼ります。メニューを回してもらったり、慣れない会員さんにアドバイスをしてもらったり…そのおかげでだいぶ助かってます。
ただその会員さんには後できちんとお礼を伝え、可能な時は満足いただく練習が出来るよう配慮はします。
実戦向けのレッスンでは体も大きく相当実力があって、僕なんかが相手では物足りないであろう会員さんもいます。
そういう時は対応出来る実力のある会員さんのチカラを頼ります。インストラクターとしてちょっと情けないし申し訳ないですが、現実だから仕方ありません。
正直、完全に割り切れませんが受け入れないと…
人に頼って生きていく、そして状況によっては断る。
断るにしても全てを断るのでなく、代わりに出来ることはないか、部分的に出来ることはないか考えてみる。そして必要なことは出来る人に頼る。
それが出来たら、生きやすさにつながるかもしれませんね。