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「どうしても生きてる」を読んで

珍しく小説を読んだ。いつぶりだろうか。
中学校の頃は毎日小説を読んでいたというのに。

朝井リョウ著 「どうしても生きてる」

友達の家にお邪魔した時に、ずらっと並んでいる本棚からこの1冊を抜き出して、私に渡した。
最近本を読むようになったと言えども、ビジネス書ばかりで、この文章量とページ数、読み切ることができるのか?と不安になった。
しかし、いざ読み始めると、人間のリアルを生々しく描き、時間を忘れてしまうほど引き込まれてしまっていた。
読み疲れたなというタイミングで、丁度一話を読み終わるのが短編小説のいいところ。中学生の頃をまた思い出した。そういえば、小説を読みだすようになったきっかけは、乙一著の「ZOO1」であった。
「どうしても生きてる」と「ZOO1」は短編小説というところ以外にも、油断して読むと内容に殴られてしまうような重さ・グロさにも共通点を感じた。

当時と違うのは、自分が大人になってしまったところ。
「どうしても生きてる」いや、世界に「生かされている」人間たちの感情が手にとってわかるようになってしまった。

この本を読んで何かを得られたか?
そう聞かれると、パッと出てこない。消失感とサウナのような、読み切った後の達成感。自分の考えを整えて、みんなこうして生きていくしかないんだなと分からされた。

おススメできるかどうかで言えば、出来ない。
だから、この本をおススメしてきた友達はすごい。
それでも人間を感じたい、また、癖になる何とも言えない結末の口溶けを試してみたい人は是非。

私は朝井リョウの他作品にも挑戦してみようと思う。

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