はじめての最後#28
会えた。というか会ってしまった。
15日ぶり?2週間ぶり?
やっと顔見れた。
むしゃくしゃした気持ちで、今日は仕事をがんばった。
夜遅くまでお客様をまわり、夜間社内勤務をして、
閉店ギリギリのAEONで明日の子供の授業参観用お弁当のおかずを買い、バタバタと。
夕飯を食べていなかったので、いつものbarに行くことにした。
私はあのbarをファミレス扱いしている。
彼は昨日の感じだと仕事は遅いだろうし、食べたらさっさと帰るつもりで。
そして、常連さんたちと談笑しながら食事をして、そのうちの1人が、ファミレス扱いのシラフな私に、帰り送って欲しいと頼まれたので快諾した。
ちなみにその常連さんは彼と同じ会社の社員で、彼より随分若くて妻子持ちの平社員だ。
他の人も一緒に、何故かニコラシカパーティーが始まって盛り上がって来た頃…
彼が現れた。
まさか、と思った。
昨日凸って振られた相手がそこにいた。
平社員の向こうに座った。
どうしてこうなるんだろ?
この人の前で、若い妻子持ちを連れ帰るみたいなことしたくないのに。
送る話しは無かったことにしてくれないかな。
そもそも早く終わったなら連絡くれたっていいのに。
やっぱり私と会う時間なんか要らないのかな、と思った。
初めは輪に入ろうとしなかった彼だけど、次第に打ち解けてみんなでニコラシカパーティー。
私はホットコーヒーだが。
煽るだけ煽ってたら、みんなどんどん酔っていく。
気がつくと、彼と若い妻子持ちは同じ会社だとお互いが判明した様子。
なんか、そこ判明しなくても良かったのに、と思った。
そのうちに、妻子持ちもかなり酔ってきたので帰りたくなっている。
仕方が無いので、一緒に帰った。
妻子持ちを送り届けて、彼にLINEした。
「頼まれて送り届けた。せっかく会えたから2人で会いたい」
未読
未読
未読
随分ピッチをあげて飲みまくってた彼は楽しく酔っ払っている様子で携帯なんか見やしない。
少しだけ近くで待ってたけど…
虚しくて惨めになって、もう待つのをやめた。
自宅まで半分くらいまで来た頃に、
「今かえる」と返事。
他にもなんか言え。
「会いたかった」と返した。
「にこらした」
「にやられたね」
酔すぎ。
引き返すのはどうせ求められてない。
そう思って引き返さなかった。
そこから、珍しく酔っ払った文章でLINEが続く。
「ちゅーしたかった」
に対しての返事は
「厳しくごしどうくださいあ」
何が言いたいのかわかんない。
誤字脱字のへんな文章が届く。
最後に
「次回はホットコーヒーでひたすら煽る側にまわります」
だって。
結局、2人っきりで会うことは叶わず。
でも彼の顔は見れた。
声が聞けて、少し話せた。
手はつなげなかったけど。
キスもなしハグもなし。
ものすごく厳しくご指導してやりたい。
ばか!
彼は少し痩せていた。気がする。