早瀬優香子で眠れない
サルトルで眠れない
『あばれはっちゃく』は観てなかったので子役時代は知らないし、そこから改めて歌手デビューした経緯もわからない、ただ所謂アイドル臭は消してて、女優~歌手兼業的な意味でも当時影響力のあった戸川純を参考にしつつ、秋元流に仕立て上げたんだと勝手な憶測、戸川純はホンモノだけど、こちらはやらされてる感、当時この曲のPVを見て(深夜の歌う天気予報的なやつだったかも)、これまた胡散臭いやつが出てきたなと、アンニュイ+不思議ちゃん系、でもってサルトル、でもってこの歌声、この頃から流行ったテレビを床(フローリングが最先端)に直置き(そして部屋の電気を消してテレビを間接照明代わりにつける)こりゃ狙い過ぎでしょ、と高校生の自分は思ったまま忘れていましたが(結局ブレイクもしなかった)、21世紀に入ってから気になり出し再評価、いまだにこの声は慣れないほどの個性(カヒミカリィが影響を受けたほどに)、サルトルって狙い過ぎとか書いてたら元々これ野崎沙穂って人のカヴァー(加藤和彦プロデュース 、85年4月21日リリースのアルバム『沙穂』収録曲)だったようで
硝子のレプリカント
セカンドシングルA面「硝子のレプリカント」はアルバム未収録曲(CD盤ベスト『yes we're SINGLES』に収録)、ジャケからはAB面が分かりにくいが、B面「セシルはセシル」はたまたま聴いた安藤裕子のカヴァーも良かった記憶
「硝子のレプリカント」はポカリスエットのCMに使われ、作詞が泉麻人というのが珍しく、この年から「テレビ探偵団」に出演などにしていたと思いますが、戸川京子などいくつか作詞を手掛けており、この道で大成する可能性もあったと思いますが、どのくらい野望があったのかわからないものの、一時期だけだったようです
個人的には金井夕子が35年ぶりの復活、山口美央子は35年目にして初CD化されて活動を再開した流れもあるので、早瀬優香子の復活に期待したい(とりあえず最近タワレコでCD再発されてはいます)、まーひとえに「復活」と漢字で2文字ですむほど簡単ではないというのはわかってますが、今の時代にハマる何かがあるような気はしますってオメーが今更気づいただけだろって話もありますが、当時LIVEをどの程度やってたのか不明ながら、単純にLIVEも観てみたいということです
ジャケ裏の上部のコピーが取扱説明書って感じかもしれない、この感じで18才だったというのが今では驚きだが、とりあえず芸歴欄に「あばれはっちゃく」の文字はない、NHK銀河テレビ小説「新宿ものがたり」はディスコのディスクジョッキー(皿回しじゃない方)を目指す女子の話だが、残念ながらその主役ではなく脇役にすぎない(それでも見てみたい)、「早春物語」は原田知世主演映画でこちらも脇役
ジャケ裏に記載されているファーストアルバム『躁鬱 SO.UTSU』と同時にビデオアルバムまで作られたのが画期的、アルバムの値段は今と変わらずだが、問題は30分位の内容のビデオグラム(VHS、BETA、LD、VHDの4種全てのフォーマットで販売!)の値段(6800円 or 5800円)、当時どれ程の人が買ったかっていうか買えたか観られたか(86年のビデオデッキ普及率33.5%)、これが映画であれば1〜2万という80年代ビデオソフト高いバナシ、レンタル店だってまだそんなにない時代
私は女
86年7月1日リリース
A面「私は女」はアルバム未収録曲、本人も出演のドラマ「わたしの可愛いひと」主題歌、B面「マリーラフォレはもう聞かせないで」はアルバム『amino co de ji』に収録
おニャン子で忙しい一方でアンニュイな逸材も手掛ける秋元先生、変化球で矢野先生に頼んでみるも、やはり矢野の曲は矢野が歌った方がいいという印象になる(これに限らず矢野顕子提供曲セルフカヴァー集希望)、残念ながら早瀬ー秋元ー矢野の異色なトライアングルにミラクルまでは起こらなかった模様
もちろん曲は悪くはないんだけどねっていうか元々子役から女優なんだから、30年以上経って今更ですが、主演映画やドラマがもっとあっても良かった観たかった、当時も今も知る人ぞ知る存在ゆえのサブスク解禁希望
2/3 amino co de ji
86年9月1日リリース、アルバム『amino co dé ji』(9月15日リリース)の先行シングル
そもそもアミノコデジってなんだ?ですが、本人の造語だそうで、そりゃわかるわけねーと(両面CECILE名義の本人作詞)、ジャケ写は前シングル「私は女」とアルバム『amino co dé ji』とこのシングル「2/3 amino co de ji」が1枚の写真からの使い回し
A面「2/3 amino co de ji」は本人出演の「2/3ヌードル」CMソングですが、この頃からカロリーオフで塩分控えめの女性向け的な商品が始まったのかもしれない、日常生活にコンビニが入り込んできた時期でもあるからして
秋元康が離れて、AB面本人作詞(CECILE名義)と日向敏文の作編曲というチャレンジ、日向敏文は前85年に環境音楽/ニューエイジ系の作品でアルファレコードからデビューしたばかりで、この起用は狙いとして早過ぎたといえるだろう、B面「シニアな記憶」の方がより日向敏文ならではの楽曲になっている
それにしても86年1月にデビューしてから先を急ぎ過ぎな約7ヶ月間で4枚のシングル、各々タイアップ(ドラマやCM)もありつつ恐らく大ヒットには結び付かず、アイドルでもなくドラマの主演女優が便乗で歌出した的なことでもない独特のポジションが伝わりにくかったのか、何かが早過ぎたのか、この感じ(どの感じ?)今の方が受け入れ体制が出来てるはずって35年以上経って言っても仕方がない毎度繰り返される結論、なんだったら復活もあり得ると思うのですが、既に2001年くらいに1度復活しており、さらに20年経った今、違う理由付けが必要だと思うのですが、なんだかんだ時折CDも再発されてるゆえ音楽的な再評価の下地は整っているので、何か起こりそうな予感(今のところ本人復活の気配はない、そりゃそーだとも思うが、とりあえず全作品サブスク解禁すべきかと)
椿姫の夏
1987年4月5日リリースの5枚目のシングル
宣伝コピー「かわいさあまって、こんがらがって」
ここまできてはっきりいって背水の陣、ホチョノ歌謡あんど化粧品キャンペーンソングで勝ちパターンといきたいところでしたがヒットせず(それでも最大ヒットのオリコン40位)、曲、西平彰のアレンジ、そしてミックスもお気に入りなのですが
中古で入手したシングル盤には幸運にもプロモ資料も封入されていたが、プロフィール欄に
とあり、これがメチャクチャ気になる、映像記録は残ってないものだろうか(きっと残ってるはずだ)
この後、6月25日にアルバム『 POLYESTER ( ポリエステル )』をリリース、「椿姫の夏」はアルバムヴァージョンで戸田誠司のアレンジ、B面曲「太陽とクレッセント」は未収録でCD『yes we're SINGLES』に収録された、続いて7月に東名阪でコンサートも行われたらしく、これは観たかったって当時は完全スルーしてたわけですけど、映像記録は残ってないものだろうか(きっと残ってるはずだ)
基本的に歌のクセがスゴ過ぎて何を歌ってるかわからない、かといって答え合わせ的に歌詞カードを見てもつまらない、何回も聴いているうちに突然「殿方は戯れ上手」とかのフレーズが急に耳で判別出来る喜び
ポリエステルと夜
2017年11月8日リリース
近年のレコードブームがなせる技、もともとシングル化されてない音源を7インチ化する企画盤、87年6月25日リリースのサードアルバム『POLYESTER』から30年後のシングルカット、秋本奈緒美「Tennessee Waltz」と同じく攻めてる7インチ復刻企画といえましょう
とりあえず早瀬優香子的にはアルバム前にリリースされた細野晴臣作曲の「椿姫の夏」をメドにシングルヒットは諦めた感があり、アルバム『POLYESTER』はそれまでと比べればポップさはやや後退、以降は自作曲(名義は千石花土根)を含めたアルバムアーティストへシフトか、タイトルは「ポリエステル」なのにジャケの気分は次のアルバム「水と土」に気持ちが引っ張られているようなアーシーさ
AB面の選曲の世界観は最近のいわゆるバレアリックという概念と思われます、いまだにわかりそうでわからないので、このアルバムから他にシングルカットすべき曲はないものかと聴き直してみれば、それなりにポップな曲はあったものの、逆にこの2曲で7インチ化した意図が改めて見えてきたような次第
マリリン & ジョンの微笑
1989年1月21日リリース
89年ともなるとレコードとCDの売り上げが逆転し、いよいよ新譜はCDのみになっていく年だが、この時点ではまだ88年度だったので、辛うじて8cmCDと同時に7インチもリリースされた
「椿姫の夏」より約2年ぶりのシングル、この半年後にリリースのアルバム『薔薇のしっぽ』の先行シングルというには早過ぎるが、A面「マリリン & ジョンの微笑」はドラマ「華の嵐」で共演していた渡辺裕之とのデュエット、B面「冷たい水」はシングルカットがなかった前アルバム『水と土』収録曲、実は渡辺裕之が『水と土』で1曲だけドラムを叩いているので、B面はその「光合成 cock-a-doodle-doo」にすればいいのではないかと思ったりもするが、ここは冷静な判断で?レゲエナンバーの「冷たい水」になった、個人的には「Lobbyの生活」が良かったんですけども
「マリリン & ジョンの微笑」はヴァネッサパラディのファーストアルバム『M & J』の1曲目(後にシングルカット)のカヴァー、リリースは88年8月ということでタイムラグを考えると、自分と似たような奴がフランスでデビューしたと情報をキャッチしてから速攻レコーディングしてリリースに漕ぎつけたということになる、アレンジもほぼ同じ、ボーカルも元々自分がやっていた発声と同じだから何の違和感もなく、「マリリンとジョン」にちなんで男性とデュエットという設定も加えている、何なら早瀬優香子の作品を当時フランスでリリースしていたらウケたのではないかと頭を擡げる
ちなみにヴァネッサパラディはこの時点ではフランスのチャートに入ってるくらいで英米そして日本では殆ど知られていなかったと思われる、自分も含めて知ることになるのは、レニークラヴィッツがプロデュースした92年のアルバム『Vanessa Paradis』からだろう
アルバム『水と土』は2022年レコードの日にアナログで復刻された
IL(ベッドの中では)
89年7月25日リリースのアルバム『薔薇のしっぽ』よりシングルカット
と言いたいところですが、レコード会社の単なるプロモ盤でもなく、ゆうせんが有線でかけたいがために独自に7インチ化するパターン(よってB面は違うアーティストだったりする)、そもそも『薔薇のしっぽ』からアナログリリースはなくCDとカセットのみになり、まだCDプレイヤーの設備が整ってなかった有線側の事情もありつつ、ヒット曲ならともかく何故この曲がプレスされたかは謎、リクエストが多かったのか否か
「IL(ベッドの中では)」以降のシングルは8cmCDになってしまうため、7インチはもう無いと思ってたところにコレを発見、普段歌詞が耳に入ってこないタチなのですが「あたたかいミルクとハムエッグ 作り方は簡単 わかる?」とかの洋楽カヴァーの無理矢理な日本語の乗せ方が妙に引っかかってしまってレアながら欲しいとなったわけです、オリジナルはキャシークラレの87年のナンバー「Por qué, por qué ?」(邦題「なぜ、なぜ」)、こちらも「マリリン & ジョンの微笑」同様アレンジ含めてオリジナルを踏襲
でもって、もし正規に7インチがリリースされていたらのタラレバB面のリクエストなのですが、『薔薇のしっぽ』からであれば、アルバムプロデューサーであるカルロス菅野の作曲「風とエレファント」が良かったなと、しかしながら実際の「IL(ベッドの中では)」の8cmCDのB面はアルバムラスト曲であり如何にもB面曲な「家へ帰るの」なのでした
自家製7インチ用ジャケはアルバム『薔薇のしっぽ』よりカラーコピー加工、8cmCD「IL(ベッドの中では)」でも同じ写真を流用
アルバム『薔薇のしっぽ』と同時にビデオアルバム『永遠のサバンナ- 薔薇のしっぽ -』もリリース、主演映画『キスより簡単』と同じく若松孝二が監督