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キングスマン好き目配せ映画(アーガイル感想)

『アーガイル』(2024)マシューボーン監督、『キングスマン』シリーズや『X-MEN ファーストジェネレーション』等の人気作を手掛ける映画監督の最新作


あらすじ

謎のスパイ組織の正体に迫る凄腕エージェント・アーガイルの活躍を描いたベストセラー小説「アーガイル」の作者エリー・コンウェイは、愛猫アルフィーと一緒にのんびり過ごす時間を愛する平和主義者。新作の準備を進めている彼女は、アルフィーを連れて列車で移動中に謎の男たちに命を狙われ、エイダンと名乗るスパイに助けられる。やがて、エリーの小説が偶然にも現実のスパイ組織の行動を言い当てていたことが判明。エリーの空想のはずだった世界と、命を狙われる現実との境界線が曖昧になっていくなか、敵の一歩先を行くべく世界中を駆け巡るエリーだったが……。

映画.comより

感想(ネタバレあり)

まず大前提として『キングスマン』は大好きです。特に1作目。1作目と比べると2作目以降失速した印象は少しありますが、それでもシリーズものとして「またキングスマンの雰囲気を楽しめる!」と満足しています。
予告編を見ている時点で「キングスマンみたいな映画なんだろうなあ」と楽しみにしていたが、同時に「あのキングスマンと同じくらいのものを作れるのか?」とも思っていた。(そもそもこの時点で「別にキングスマンの最新作じゃダメなの?」と考えていましたが)

結論から言うとダメでした。(個人的に)
『キングスマン』のキャストを散りばめて、『キングスマン』で観たような演出、そしてラスト…。こんなに「みんな!キングスマン好きだよね!」目配せをする映画中々ないのでは?そんな『キングスマン』を想起させるようなものを作って一体何がしたかったんでしょうか…なぜ作った…

冒頭、小説内でアーガイルが活躍しているシーン、明らかにわざとらしいスパイ映画オマージュなシーンから始まる。あからさまな演技と明らかに雑なCGだなあと思いながら、多分小説内の出来事だからわざとこういう出来にしてるんだろうなあと思ってたが、まさか現実で起こっていたこととは…いやあ騙された…
何が怖いって映画通してこの演技とCGで、ところどころ観てられない。その後、スパイ小説の作家エリーはエイダンに出会い危機的状況に巻き込まれていく。ここは面白かった。電車の中のアクションシーン、さすがのマシューヴォーン映画アクションで、『キングスマン』でもお馴染み人間の反射神経とは思えない離業で敵を薙ぎ倒していく様子は観ていて気持ちが良い。それに巻き込まれて戸惑うエリーも面白く、アパートの一室でのアクションシーンでは投げられた手榴弾をエイダンの方に投げ返すところは、急に巻き込まれた人のへっぽこ具合ってこんな感じなんだろうなあと笑えるシーンだった。ここまでは良い意味でB級スパイオマージュ映画っぽい楽しみ方ができる。(この時点で猫のCGのあざとさがとても気になる)

この後からずっと「裏切り展開」的なものが続くようになる。お父さんが実は敵の長、本物の両親ではない、エリーは洗脳されていた等。この展開そんなに驚きがあっただろうか。お父さんを明らかに映像に映していない時点で…エリーの言った通りにことが進む時点で、また自身とアーガイルが重なるショットがいくつか挟まる時点でエリー=アーガイルなんだろうなあと。決して予想がつくから悪いとは言わないが、この「裏切り展開」を仕掛けるための演出があざとすぎる。「ここで驚いてね!」って感じが見え見えすぎる。『キングスマン』でも似たようなどんでん返しがあったがそれを想起させるための要素にしか見えない。

後半エリーとエイダンがダンスしながら共闘するシーン、観てて辛い。そんな『キングスマン』好きに目配せしながらギャグっぽい戦い方しても、恥ずかしくて観てられない。
この辺のシーンのCGも『キングスマン』に比べると雑な印象。まさか冒頭シーンの雑なCGが終わりまで続くと思わなかった。
あと猫の使い方もあまりにも雑では?かわいいからよしとはならない…ご都合主義的にリッターの目潰しに使われて、なんで登場させたのか一切わからない。『スターウォーズエピソード8』のポーグくらいわからない。

あまり好きじゃなかったです。以上。

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