p.9【FGM】女性器切除
みなさんは女性器切除(FGM= Female Genital Mutilation)をご存知でしょうか?それは、現在でもアフリカの数十カ国で行われている習慣・割礼です。女性器の一部または大部分、全部をカミソリなどで切りとる(または、切り取って縫い合わせる)ことです。
アフリカの多くの国では、婚前の性行為は良いものとされていません。そのため、15歳未満の女性の女性器を切り取ったり、縫い合わせることで処女を守るためにFGMが行われています。つまり、FGMをすることで婚前女性の"純潔"を守っているとされているのです。また、情報も判断力も乏しい幼い子供のうちにFGMをされてしまうということが大きな問題であると言えます。
また、FGMを行うのはちゃんとした医療関係者ではない人で、麻酔も使用せず、消毒も何もされていないカミソリなどで女性器を切り取ります。そのため、大量出血で亡くなってしまったり、ひどい感染症に感染してしまう女性が後をたちません。また、女性器を縫い合わせる場合、膣の入り口を塞いでしまい、生理の血の排泄がうまくできず、ひどい生理痛に苦しんだり、性行為や出産をする時にひどい痛みや出血が起こる場合もあり、女性の一生の命に関わります。
FGMは女性へのメリットはないということが科学的に証明されており、ユニセフによると、2008年から現在までに、20カ国がFGM廃止を公式に宣言しています。
また、ケニアやウガンダを含む5カ国がFGMを違法と認定し、世界的にFGM廃止に向けた動きが進んでいます。
しかし、このFGM廃止に向けた動きを拒むモノがあります。それが"コロナのパンデミック"。このパンデミックによって世界中の多くの学校が休校の措置をとりました。
このFGMを行った後、数日間は学校を休まなければなりません。そのため、この休校期間にFGMを行ってしまおうという動きがおこり、コロナのパンデミックが始まってからFGMの実施率が上がってしまったという現状があります。
また、コロナによって職を失った人々が簡単に手に入れられるカミソリなどで新たにFGM業者になったということもあります。つまり、FGMを行う側の人が増えてしまったということです。
私なりにFGMの問題について考え、このFGMから女性を救うために必要なことを書き出してみました。
①FGMに関する正しい知識の教育
FGMがどんなもので、それが生涯に渡って自分の体にどんな影響を及ぼすのか、女性達が幼いうちに教える必要があると思います。
②FGMから子供を守るために親を教育
①で上げた教育とは子供が対象ですが、この②で上げている教育とは大人が対象です。FGMは代々祖父母などから受け継がれている伝統で、FGMに賛同していない親でも、伝統を断つことができないため、子供にFGMをさせてしまっている現状もあります。そのため、親たちに、悪しき伝統は絶っても良い・その伝統を受け継ぐかどうかの決定はできるということを伝えたいです。
③女性に自己決定権があるということを伝える
自分の体に関する決定権は自分が握っているということを忘れないで欲しいと感じました。
④FGM廃絶運動への男性の加担
多くの途上国で権利の大部分を握るのが男性です。だから、女性が声を上げるより、男性が声を上げた方がその声が通りやすいという現状があります。
⑤FGMを取り締まる法整備
FGMに関する法律を設定し、女性を公的に守る規範を作ることが必要だと思います。
⑤グローバルイシューとしての浸透
グローバル化が進むこの世界で何が起こるかは誰にも分かりません。もしかしたら、FGMをしている民族集団が私たちの住むコミュニティに移住してきて私たちの生活するコミュニティでFGMが始まるかもしれません。つまり、FGMは一国家が抱える問題ではなく、地球全体での関与が必要なグローバルイシューの1つだと私は思います。
環境問題や地球温暖化問題に比べたらFGMのことを知っている人は少ないと思います。しかし、FGMも環境問題や地球温暖化問題と同じように、私たち地球市民がしっかりと向き合っていく必要がある問題だと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。