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舞台『ゲゲゲの鬼太郎』観劇に寄せて


分かり合うということを諦めるのは

目の前の存在を手放すということだ。

時に守りたくないものを守り

守りたいものを守れないのは

きっと、その時の運命のいたずら。




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舞台『ゲゲゲの鬼太郎』通称ゲゲステ!
大千秋楽までの無事の終了、誠におめでとうございました!!

東京公演が一部中止となり悲しい気持ちにもなりましたが、結果無事に「終了」という形で幕を下ろしてくださったこと、本当にありがとうございました!

ゲゲゲの鬼太郎という歴史ある作品の主演を、応援している俳優である荒牧慶彦さんが担うということで。

作品の大きさや明治座主催公演の主演という大きすぎるくらいのプレッシャーがある中で、公演中止という抗えない波にも呑まれ、本当に大変なことが多かったんじゃないかな。
そんな気持ちがどんどんと湧き上がってきて、今回改めて記事を書くことにしました。


感想、というのは名ばかりで、ほぼ自分の覚書のようになってしまうけれど笑、とりあえず書きたいことを書いてみたいと思います。




***




さて、ゲゲゲの鬼太郎という作品は昔にアニメを観ていたなあ、くらいの情報量だったのですが

純粋に作品の世界観を存分に楽しめました!


妖怪と人間の共存をテーマに、分かり合えることと分かり合えないことと。


実際にその立場になってみなければわからないことも多いと思うけれど、ひとつとても心が痛いなって感じていたことは「たったひとつの出来事で、信頼は再起不可能なほど大きく崩れる」ということ。


個人的に接客業をしているので、そんな出来事は嫌というほど身をもって体験したし、実際にそう思われても仕方がないって思っている自分がいるくせに、

同時に、でも本当にそれでいいのかなって、天邪鬼みたいに「どうせ」とあきらめないで欲しい、って強く思う自分もいました。


そして何よりも、誰に対しても少しだけ、ちょっとだけでいいので、寛容な世の中になって欲しいなあとも。


すこしでもミスをしたら色々な角度から刃物が飛んでくるような世の中。
そんな生きづらい世の中が、すこしだけでもやさしくなってくれたらいいのにな、なんて、作品に関係のないことを考えちゃったりもしていました。



***



さてさて、あまりにも長くなるのはアレなので、すこしお芝居について書いて終わろうと思います。

今回もみなさんのお芝居が素敵で、ひとりひとりに対して好きな部分を見つけられるくらいにお芝居を楽しみすぎてしまいました☆


SNSに書いたこととほとんどかぶってしまうけれど、、

藤井隆さんのねずみ男登場からもう私は大好きで、なんというか、胡散臭そうな顔がとてもお上手で…笑
お調子者っぽい仕草もとても素敵だったなあ!あとは遊びが所々にちりばめられていて、その都度笑っちゃう!笑
鬼太郎の父さんに「どうも」って言いながら手を取ってみたりキスしようとしてみたりね笑

からの満田伸明さんの山田博士、超好きだったな~!!
喋り方お上手すぎて毎回笑っちゃったし、「すごい言ってくるぅ…」がツボ過ぎました笑笑


からのからの、井出卓也さんのナオトも最高でしたね!
最初からねずみ男を「なんだコイツ」ってジト目で頭からつま先まで視線を動かしてるの”人間表現”としてめちゃめちゃよかったし笑、サラマンドラの粉のボトルを受け取った後のボトルの扱い方が…本当に粉が入っているように見えちゃってとても好き、、
大千秋楽の「人間の井出です」最高でした笑笑


上坂すみれさんのねこ娘が可愛いこととかもう周知の事実じゃないですか。(当然のような顔)
舞台初挑戦ということを微塵も感じさせない堂々っぷりは、きっといつも舞台に立ってパフォーマンスをされていらっしゃるからなのだろうと思っていたり。
公演期間の終わりごろには、鬼太郎の仲間の妖怪たちの名前を言う際に手振りがついていたりして、レベルアップしていて素敵だったなあ!
大千秋楽のご挨拶、鬼太郎に「やめなさいよ!」って言われながらも”ゴーイング・マイ・ウェイ”だったところ、超よかったです笑(他人事みたいに勝手なこと言ってごめんなさいです笑)


浅野ゆう子さんの砂かけばばあは最後まで雅で美しすぎました…
そしてセリフひとつひとつの重みがすごい。
ひとつひとつが心をざらり、と撫でてくるような感覚があって、その表現力と表現の厚みのようなものに胸をざわざわさせられました。
かと思いきや、お茶目な遊び心もお持ちで鬼太郎にお茶目に絡むシーンが可愛すぎてニコニコしちゃって!可愛かったなあ^^


七海ひろきさんの天邪鬼、超かっこよかった…
光が当たると三白眼にも見える瞳で見られるとドキドキしちゃって…これは恋かしら?恐怖かしら?(前者であってくれよ頼む笑)
声がとてもその役の名の通り”凛”としていて、いつでもすっと耳に入ってくる心地よさ。役の心情を的確に表現するセリフの抑揚。うん、好きでしかなかったです。好きです。笑


君沢ユウキさんの水木はもう信頼しかなかったです。
毎度ディズニープリンスばりの笑顔がまぶしすぎて(どんな表現?)、その太陽のような笑顔に、水木の人のよさがにじみ出ている感じがとても好きでした。
何より、鬼太郎を演じる荒牧さんが君沢さんを信頼している感じが勝手に伝わってくる気がして(勝手なこと言ってすみません)、お互いに「どんな変化球をどんな方向に投げても取ってくれるから大丈夫」みたいな、お二人の掛け合いは観ていてとても安心しました。


立花裕大さんのタケルもとてもかわいかった!
最初とてもおどおどしているのに、リンを守らんとする気概と行動力がすごくて。お芝居がダイナミックで鮮やかな感じだからこそ、タケルの意志の強さが余すことなく伝わってくる。めちゃめちゃ表現力素敵だな…って思っていました!
帽子ひとつでワタルとタケルを行ったり来たりするのもめちゃくちゃお上手で素敵だったなあ^^


矢部太郎さんの子泣きじじいは物語のある種特殊なスパイス。笑
毎度的外れなセリフを言っては、みんなから「…は?」ってリアクションを取られていて、子泣きじじいってこんなキャラクターだっけ!?って思っちゃったくらい!笑
でも矢部さんの子泣きじじいが可愛くて、ゲゲゲの森のマスコットキャラクターだなあって勝手に思ってました(勝手にマスコットにすな)


今回はダブルキャストの方もいらっしゃいましたが、個人的にBを観ることが多くて、その中でも岡田夢以さんの水木の母が好きだったんですよね…
2幕開けてすぐの水木との会話シーン、なんというか声のトーンとか視線とか好きだった!ふわっとしててすみません、、笑



***


そして最後に、今回のお目当て。
ここからはファンの欲目・盲目全開です。すみません。笑

荒牧慶彦さんのゲゲゲの鬼太郎、本当に本当にかっこよかった。
「筆舌に尽くしがたい」とはまさにこのこと。今の私の気持ちを表現するためにあるような言葉だといっても過言じゃないくらい。

私の中の、記憶の彼方にいる鬼太郎のイメージを引っ張り出してきたときに思ったのは「決して感情表現豊かじゃない鬼太郎をうまく表現できるのは荒牧さんしかいない」ってことでした。

饒舌でもなければ表立った感情変化も最小限。
であればどのように、「舞台の上で観客に伝わるように」鬼太郎を表現するか?


そう考えたときに、これは荒牧さんの表現力、巧みなお芝居の技量が光るところだと、そう確信していて。


荒牧慶彦に任せときなよ。


1ミリの不安もなく、なぜか私が自信をもってそう思っていました。
(いや誰なんよ)

でもそんな勝手すぎる期待?自信?に応えてくださるお芝居を今回も魅せてくれて、本当に心から幸せでかっこよくて。


目線や目元だけで彼は感情を顕わにできるし、頭の動かし方ひとつで感情の動きを表現できる。

誰かのセリフの応酬をうけてこぶしを握ったり、視線を向けてみたりする細やかな表現にも抜かりがない

セリフを発する声の抑揚は心を撫でる天才。
水木と別れるシーンは、感情があふれ出しそうなのを抑えているような声に、最初から涙がこぼれそうなくらい心が感情でいっぱいいっぱいになってしまった。

こんな感情の渦を、お芝居を待っていた。
そんな気持ちしかなくって、そんな気持ちを毎回感じさせてくださる荒牧さんのお芝居を好きになれて、本当に心からよかった。
いつも本当に、幸せな気持ちにさせてくれてありがとう。

殺陣もあって、長物使いの巧さも存分に知れ渡りましたね!
”一反もめんさばき”も素晴らしかった…まったく何でもできちゃうんだからなあ、かっこよすぎるなあもう!!すき!!笑



***



このゲゲステ主演の情報解禁の時、私は心からワクワクしていました。

誰もが知っているような歴史ある作品の”真ん中にいる役”を任せられるということ

明治座や梅田芸術劇場メインホールという大きな劇場の、広い舞台の真ん中でライトを浴びてくれるということ

様々な立場の演者さんを中心でまとめて率いる立場を担ってくれるということ


考えただけでも涙が出てきそうなほど嬉しくて、ワクワクして、胸が高鳴って。


これまでも彼は主演として輝く姿を何度も見せてくれて、その度に私は心からの幸せを噛みしめながら、「こんなに当たり前のように当り前じゃない幸せをくれる素敵すぎる人は他にはいない」と思い続けていました。

でも今回さらに、その幸せを更新してこられてしまって…
まったく、どこまでファンを幸せにすれば気が済むの!?笑


そんな軽口も叩いてはいけないくらいの活躍を見せてくださる、心からの幸せをくださる荒牧さんには、本当に毎回感謝してもしきれません。


こんなに誰かを応援していてよかったと思えるのは初めて


そんな気持ちも毎度毎度アップデートしてくれる彼ではあるけれど、何よりご本人が楽しそうに演じてくれる、俳優をしてくれていることが一番嬉しいのです。


今回の鬼太郎という役でも、彼のお芝居の素敵な部分が遺憾なく発揮されていて、例に漏れず観劇の度に幸せでいっぱいになりました。


いつも、本当に幸せをありがとう。


あなたは「みんながいてくれてよかった」と言っていたけれど、それはこちらも同じなんです。


荒牧さんが俳優でいてくれてよかった。

荒牧さんがたくさん頑張ってくださってよかった。


荒牧さんがいてくれて本当によかった。


言葉を返すようだけれど、本当にいっつも思ってる!!
(配信での言葉を受けて「私は今、自分の写し鏡を見とんのか?」って思ったくらいに”こちらのセリフ”すぎました笑)


個人的な話になるけれど、やっと観劇を心から楽しめる心の余裕を取り戻すことができて、そんな中で心から大好きな荒牧さんのお芝居を思う存分受け取れたことが本当に楽しかった。


でも、ここまで折れずに頑張ってこられたのもまた、あなたがいてくれたおかげです。

いつも本当に、たくさんたくさん、ありがとう。


関係ない話になってしまったけれど、今回も大きな挑戦の軌跡を一緒にたどらせてくださって、見守らせてくださって、本当にありがとうございました!!


これからもまだまだ一緒に、色々な景色を見させてくださいね!





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