右から考える脱原発デモin銀座・京橋 - 2021年3月30日（火）／東京都中央区〜千代田区〜港区

東京都中央区〜千代田区〜港区で行われた『3.30右から考える脱原発デモ アフターファイブバージョンNo.98in銀座・京橋』の記録

　日の丸を掲げ脱原発を訴えている「右から考える脱原発ネットワーク」主催の『右から考える脱原発デモ』（通称：右デモ）は、「脱原発運動は左翼だけのものではない」との考えから先頭に日本国旗が掲げられ、あえて「右から〜」というネーミングで行われている。
　2011年7月に最初の「日の丸・脱原発デモ」が行われ、2011年11月からは毎月一回のペースで仕事帰りの時間にデモが行われてきた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年1月実施のデモを最後にしばらく中止となっていた。今回のデモは1年2ヶ月ぶりに開催され、通算107回目の行進となった。

【動画】

3.30右から考える脱原発デモ アフター5 No.97in銀座・京橋 - 2021.3.30（27分33秒）

　今回どうしてもデモ出発の時間に間に合わず、映像は東京電力本店前を過ぎたところから始まる。メインのコーラーは橋本久美さんが勤めており、力強いシュプレヒコールやスピーチが夜の街に轟いた。

　脱原発運動にとって3月は、東日本大震災に伴う福島第一原発事故が起きた月であり、忘れられない月になった。コロナ禍での右デモ再開が3月になったのも、あの事故への強い思いがあったからに他ならない。
　このデモを主催する「右から考える脱原発ネットワーク」代表の針谷大輔さんは「感染者が増えてきているこの時期にデモを行うか悩んだが、3.11から10年経って、さすがに東電・柏崎刈羽原発の不祥事にはどうしても言わなけれなばならないと思いデモを開催した」と述べた。

　そんな今回のデモのメインステージとも言える、東京電力本社前での針谷大輔さんによる柏崎刈羽原発の度重なる不祥事に対する糾弾スピーチをTwitterライブ放送のアーカイブを元に書き起こした。

針谷大輔さん（「右から考える脱原発ネットワーク」代表）スピーチ
東京電力本社のみなさん。
あなたたち東電のずさんさから、福島第一原発の事故という、とんでもない事故が起きました。いまだに収束されません。いつ収束するかもわかりません。
そんな中、我々は、反省を理念とした経営体制をしてこいと、この10年間、東電に訴えてきました。しかし、なんですか、東電は。
今年に入ってだけでも、1月23日、「去年9月の不正入室発覚」「社員が別の社員のIDカード使い中央制御室に入室」「顔写真などとの違いに疑念も警備担当は入室許可」「登録情報の書き換え手続きも」。
1月27日、「重大事故の際に作動する空調設備工事未完」。完了と発表ですよ。嘘つきじゃないですか、あなたたち。監査が来なきゃ、わからなかった。ごまかしができると思ってるのか。10年前にあれ程の事故をやって、そしてね、「完了と発表の安全対策、実は未完、初めて明らかに」って書いてあって。
そして2月ですよ、2月。1月の2件だけじゃない。
2月10日、「部品の品質確認試験の一部未実施」。また、してない。そして、「規制委検査で明らかに」。手抜いてやってばっかだから、ごまかしやってんのか、お前ら。
そして、2月の15日、「消防設備工事の一部未完」。酷いね。そして2月の19日、「1月 作業員が核物質防護に関わる設備誤って損傷」。これもほんと酷いんですよ。
そして、2月の26日、「原子炉冷却装置に関する工事未完」。（冷却のxxxxが不完全。完成したもん動いてる。）何から何までめちゃめちゃ。でたらめじゃないですか。これで終わらないんですよ、今年に入って。
3月になって、3月3日、「火災防護工事が未完」。ありえないだろ。ありえますか。全部終わってると言って、再稼働の許可を取ろうとして、そしてないってバレてるんですよ。東電は10年前の福島第一原発事故をなんだと思ってるんですか。まるっきり反省してないじゃないですか。社長は即刻辞任してもいいでしょう。してないじゃないですか。とんでもないよ、こんなの。
そしてね、3月16日に、「2月19日発表の事案をもとに調査した結果、 不正侵入防止の検知設備、去年3月から壊れていた」。なんですかそれ。そして規制委がね、「最も深刻なレベル」。四段階で一番深刻なレベルと言っているんですよ。
我々は、テロ対策、ミサイルが撃たれたらどうするんだと言っている。まるっきり経営陣は何もしてないし、どっかの国の工作機関が来たら、あんたら原子炉取られちゃって、日本は原子炉で人質じゃないですか。1000万、2000万の人が。柏崎刈羽から何千万の人間が避難しているかわからない。その人達が危険に晒されるんです、君達のせいで。でたらめ、嘘つき。
10年前の福島第一原発事故の教訓が活かされていない。何ら反省もしていない。東電はしっかりとね、こういうことが全てできないなら、国に委ねなさいよ。民間の企業じゃやっていけない。無理です。管理もできません。
ですから、国で国有化してくださいと願い出なさい。小早川さん。

【写真】

　京橋プラザに集合した人々は銀座の街をアピール行進し、東京電力・中部電力・関西電力という原子力発電所を有している業界1〜3位の電力会社へ抗議の声を届け、原発を重視するエネルギー政策を進めてきた諸悪の根源とも言える経済産業省前で怒りを表明し、新橋の桜田公園まで約4kmのコースを1時間半くらいかけて練り歩く。

経済産業省前でのデモ参加者スピーチ
最近、原発をめぐる裁判で、あんた方に嬉しくない判決が出てるかもしれませんね。
特に、東海第二原発差し止め判決。あの判決の一部の理由は、避難計画がなってないってことでしたよね。どうですか、他の原発はどうですかね。東海第二だけじゃないんじゃないの、避難計画がちゃんとなってないのは。
この10年、何やってきましたかね。10年、福島原発事故から、いろんな不備がはっきりした中で、避難計画をじゃあこれからちゃんとしようって、やろうと思えばできたんじゃないですか。何もできてないじゃないですか。裁判所ですら、それを見ないわけにはいかなかったってことでしょう。
そもそもこの10年、原発にしがみついてたのはどういうわけですか。他の再生可能エネルギーに舵を切るには十分な時間があったじゃないですか。それをずっと原発にしがみついてるってのはどういうわけですかね。
どうしても原発を動かしたいって言うんなら、福島原発事故で避難をしなければいけなかった、被害に遭った人たちは、どういう目に遭ってますかね。
どうしても原発を動かしたいって言うんなら、あの被害に遭ってた人たちに十分な補償をすべきじゃないんですか。十分な補償をして、「もう私たちはこれで十分です。ありがとうございます」とまで言ってもらって、それから、「さあ、これからまた原発動かしてもいいですかね」って言えるんじゃないですか。
そういう補償のろくろくない中で、どうして原発に賛成できる。
どうして、原発いいですよって言えるんだ。恥を知れ。
まだ原発を動かしたいって言う連中、恥を知れ。
恥を知れ。恥を知れ。

　日本国旗を掲げて脱原発を訴えている「右デモ」は、右翼や右派の要素も少なくはないが、右も左も関係なく誰でも参加できる脱原発デモとして、これまでも右の人も左の人もそのどちらでない人も参加してきている。
　次回の「右から考える脱原発デモ」の開催については、コロナの状況によるとのこと。デモの最新情報はTwitterをチェックしてほしい。

子 供 た ち の 命 と 麗 し き 山 河 を 守 れ ！