数字でビジネスを把握する
前回は「マーケティングファネルってなんだろう?」という記事を書きました。
今回は数字でビジネスを把握し、生かしていくことについてお話ししていきます。前回マーケティングファネルのお話をしました。マーケティングファネルに沿って、①認知〜②興味関心〜③比較検索〜④購入それぞれ段階ごとに、人の行動は変わってきて、その段階ごとに準備することがあるよっていうお話しでした。
どこに課題があるかって根拠を持って言えますか?
ちなみに僕はけっこうなスピ男子です(笑)直感とか、感覚で物事を決めることはたくさんありますし、目に見えない力や流れを信じています。
何なら毎日タロットカードを使って直感で色々決めています。。
ただ、それと同じように数字の力も信じています。数字は、過去の<流れ>をそのまま教えてくれるとっても価値のあるものです。
僕が初めて入社した会社ではよく先輩に言われました。
「これの根拠って何?」
会社では、何となくとか、そんな気がするとか通用しません。誰にでも理解できる数字での根拠が求められますよね。それは自分じゃない他者にも納得してもらうためでもありますが、根拠を持って物事を決めていくことの最大のメリットは、後から検証・改善できる点だと思います。
マーケティングファネルに沿って考えてみましょう。
みっちー工務店の売上減少の原因とは?
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みっちー工務店の社長は困っていました。
みっちー社長
「今年度は売上が低迷している。コロナ禍の影響か?この地域は人口も減っているし、そもそも建てる人が減ってきている。原油価格の高騰で木材の価格も上がっているし・・・。営業マネージャーのMくんと相談しよう」
マネージャーMくん
「みっちー社長、私自身も現在の状況を危惧しています。早急に対策を建てましょう。最近では個人の収入減少、そして更に材料費の高騰で、低価格住宅に需要があります。私たちのようの高価格な住宅では売れません。」
みっちー社長
「確かにその通りかもしれないな。でも私たちは創業以来、材料、品質、デザイン全てにこだわり、100年住み続けられる家を目指して作り続けてきたのだ。それを変更するというのは私は会社の理念として曲げたくはない」
マネージャーMくん
「社長!そんな悠長なことを言っている場合ではありませんよ。会社には社員のみんな、そして家族がいるんです。このままでは会社が潰れてしまいますよ!?」
みっちー社長
「分かった。しっかり検討しよう。まずは昨年の報告をしてもらえるかな?」
マネージャーMくん
「はい、もちろんです。昨年は受注棟数20件でした。一昨年は28棟でしたので、30%近くの減少です。売上も同じように30%近く落ちました。」
みっちー社長
「そうだったな。昨年は営業のエースYくんが辞めてしまったからな。ちなみに、昨年の見込み客の数字を教えてもらえるかな?」
マネージャーMくん
「はい、昨年は見学会を7回開催し、見込みと思われるお客様が50組でした。営業メンバーが減りましたが何とかみんなで踏ん張りました。しかし、現在の社会の状況を見るともう限界です」
みっちー社長
「一昨年はどうだったのかな?」
マネージャーMくん
「一昨年はですね・・・えっと・・・
見学会を13回開催し、見込みのお客様が70組でした。。。」
みっちー社長
「ん?見学会が著しく少なかったじゃないか?どうしてこうなったんだい?」
マネージャーMくん
「いや、Yさんが辞めてしまったため、みんな忙しくて開催する余裕がなかったんです。忙しすぎてそんなに働くのは無理ですよ・・・」
みっちー社長
「待ってくれ。そうであればもっと早く相談してくれれば良かったじゃないか!それなら何とかする方法を考えられたのに。。。」
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さていかがでしょうか?みなさんはどこに原因があったか分かりましたでしょうか? 簡単すぎたかもしれませんが、マーケティングを理解していない場合に、結構これに近いことが多く現場では起こっているように思います。 ではもう少しマーケティングファネルに沿ってみていきましょう。
今回わかりやすく説明するために、認知・興味関心の部分は省きました。また、認知・興味関心の部分は数字を取りきれない部分もありますが、例えば見学会での<アンケート>を使うことで、ある程度の根拠を示すことは可能です。
数字で原因を把握することの重要性
さて、みっちー社長とマネージャーのMくんのやりとりでもありましたが、このように数字で見てみるといかがでしょうか?
実は、エースYくんは辞めてしまいましたが、見込み客に対する成約率は2021年も2022年も同じ40%です。このセールスの部分には問題はなく、来場者に対する見込み客率(見学会に来場した方で家を新築する可能性のある方)も17〜18%とほぼ変わりありません。
この結果を見ると、単純に見学会の開催回数が少なかったから2022年は受注棟数、そして売上が減少したんだと理解することができます。
確かにマネージャーMくんの言う通り、社会の情勢の影響もあるかもしれません。ただ、このように数字で見れば明らかに、<見学会をもっと開催すれば売上が上がったのでは!?>という根拠のある仮説を立てることできます。
新しい商品開発も大事ですが、上記の対策であればすぐに対応が可能でしょう。見学会を増やす。そのために、営業を増やすか、営業の負担を減らすための事務などを担当してくれる人を増やす。どちらかを実行すれば、2022年も売上を落とすことなく進めたかもしれません。
数字が把握できれば、ビジネスを客観視できる
僕たち人間が考えることは、基本的にすごく主観的です。自分の立場や状況を守るためだったり、思い込みだったり、外部からの情報を鵜呑みにし、それがまるで<正しい>ように考えます。僕自身もそうです。
最初にも記載しましたが、僕は人のもつ直感・感覚は素晴らしいものだと思っています。全く根拠のない選択が思ってみなかった結果に繋がることはよくあることです。
でも同時にそれは再現性がほぼないことでもあります。何となくうまくいった結果は後からまた同じようにいかなかったり、気分やその時の状況に大きく左右されるのです。
数字は結果なので、変わることがありません。そしてそこから検証し、問題点・改善点を見つけることができる素晴らしいツールです。
個人ビジネスは主観的になりやすい
個人でビジネスをする際には、組織以上に主観的になりやすいですよね。誰かに説明する必要もないので、自分の感覚で進めていけちゃったりします。それももちろんOKだと僕は思います。感覚経営バンザイ!(笑)
でも、それにプラスで数字も把握できるようになったら、よりビジネスとして継続・成長できるのではないかなと思っています。
感覚を大事にする方こそ、数字で把握することを取り入れてみるときっと気づきが多いはずです!
みっちーでした!
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