鹿児島の野ぼとけ13
宝永二年(1705)に造立された地蔵菩薩立像である。
鹿児島に数多く残る地蔵菩薩立像の中でもトップレベルのクオリティである。
さすがに当時の人々も壊すことを躊躇したのか、全くの無傷。
それもあって、鹿児島の古寺跡界では有名な石仏だ。
何とも言えない優しい表情。
ずっと眺めていられる、眺めてしまう。
今は地衣類で白くなっているため、元の色に戻るとまた違う表情を見せてくれるかもしれない。
出来がよかったためか、背面に「永田五右衛門」という作者の名が残されている。
石工の名前が残されているのも貴重で、この石仏の価値を高めている。
これからもこの場所で参拝者を見つめ続ける。