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小説

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#創作

【短編小説】君の見える時間

 夜が好きだ。
 人目を気にすることなく、君の隣を歩くことができるから。
 月明かり、瞬く星。
「ねえ、ミライ。私ね、あなたのこと大好きよ」
 君は珍しくそんなことを言う。
 月明かりが照らすのは、少し赤くなった君の顔だった。
「急になに?」
「慣れないことするもんじゃないわね……照れるわ」
 君は少しはにかみながら熱った顔をパタパタと仰ぐ。
 君はいつもそうだ。
 君はいつも、そうだった。

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【短編百合小説】眠る

 そのとき、私はバラが綺麗に咲いているという公園にいた。実際、バラは綺麗に咲き誇っていた。私の目を奪い続けるには充分な美しさだったと思う。でも、すぐに私の目はバラから離れた。
 バラ以上に美しい少女が、花壇の上に寝そべっていたのだ。その少女は、死んでいるんじゃないかと思うほどに青白く、細い指の先すらも動かなかった。その姿は、花よりも、星よりも、宝石よりも、この世のどんなものよりも、綺麗だった。私の

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