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武術的老子解釈

原文

重は軽の根を為し、静は躁の君を為す。
これを以って聖人、終日、輜重を離れず。
栄観有りといえども、超然として燕たり。
何万乗の主として、身を持って而して天下を軽んぜん。
軽、則ち本を失い、躁、則ち君を失う。

解釈

重い物は軽い物の根をなし、静けさは騒がしさの主をなす。
これを見て、聖人は一日中荷車を離れない。
見栄えのいいものを見ても、心を奪われることはない。
どれだけ広い土地の主であっても、天下を軽んじていいものか。
浮ついたものは、その根本を見失い、やたらに騒がしいものは、心の主を失う。

コメント

腰から下は重く、腰から上は軽い。
これではじめて足腰の力が手に伝わる。
やたらに手を忙しく動かしても、軽く動かした一手にはかなわない。
なぜなら、その手には足腰の力が宿っているからだ。
手に大きな威力を持たせたいなら、手を軽く、足腰を重くしておくこと。

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