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2002年からの武術稽古日誌2

雨がぱらぱらと降る今朝の空模様・・・。
そんでも、朝早起きして武術の稽古。

基本技を繰り返す。
何回やっても満足にできたと思うことがない。
だけど、何回やっても新しい発見がある。昔はこの単調な基本の繰り返しがいやでいやで、しょうがなかったけど、今は噛めばかむほど味が出るスルメのように味わい深い。

それにしても、まあ、なんというか師匠の技には届かない。
基本が師匠のように一流になれば、こんな私でも、ちょっとは自信がつくというものか・・・・。

次は、太極拳の套路を練る。
じっくりと目の前に相手を想定して・・・。
そら、今、蹴りがきた。
こう捌く。
次は、横から飛び込んでくる敵にたいして、こう捌く。
こう、返す。
ここで、崩して打つ。
次は関節技、そして投げ技に移る。

・・・・・・・・・・・・・

そして気を丹田に沈める。
套路を終える。

今日の敵も手ごわかったがなんとか制することができた。

太極拳の難しさは、「いい加減さ」にある。
打ち出す拳は硬いようで柔らかい。
軽いようで重い。
腕は伸ばしてるようで曲がってる。
背筋まっすぐに伸ばしているようで緩んでる。
攻撃と防御はゆっくりなようで、しっかりと間に合っている。
硬いようで柔らかい。
柔らかくても、抵抗できないほど強い。

こんな難しい技、ゆっくりやらなきゃ身につくわけがない。
人間の動きを微にいり細にいり、計算されつくした動作に改良しなければ、とても日常の簡単で本能的な動作では、太極拳の技は使えない。
だから、ゆっくりやるのです。
ゆっくりやらざるを得ない。
健康にいいから、見た目が綺麗だから、ゆっくりやるのではないのです。
ゆっくりやらないと身につかないほどの、高度な身体能力を太極拳は要求するからです。

それをひとことで言えば「いい加減」ということです。
この「いい加減さ」を一歩でも踏み外せば、太極拳は絵に書いた餅になるでしょう。

2002年6月記す。

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