武術的老子解説
原文
その政、悶々たれば、その民、淳淳たり。
その政、察察たれば、その民、欠欠たり。
禍は福の拠り所、福は禍の伏す所。
たれかその極みを知らん。
それ正は、無し。
正はまた奇を為し、善はまた妖を為す。
人の迷い、その日久しく、固くす。
これを以って聖人、方にして割らず、簾にして切らず、直にして伸びず、光りて耀かず。
解釈
その政治、悩み多く何も手につかなければ、国民は、素直に自分の生活を営む。
その政治、いろいろ目を光らせて取り締まりがきついならば、国民は悩み多く、何も手に付かないだろう。
禍は、福の拠り所、福は、禍の拠り所だ。
何を以って禍とし、福とするかは、だれにもわからない。
正しいことは、正しいがゆえに間違ってきて、善い事は、善いことで在り続けるために妖しくなる。
人の迷いは、過去から現在まで延々と続いてきた。
これを見て聖人は、きちんとわかりやすくはするが、例外は認め、
きまり正しくはするが、冷酷に捨てることはなく、真っ直ぐに断行はするが、頑固にそれを貫くことはなく、成果はあげても、それをアピールしない。
コメント
技は、打撃技、関節技、投げ技、締め技とある。
それを一つ一つ磨いていくのが稽古である。
しかし、そのひとうひとつにこだわらない稽古も大事だ。
いつでも関節技から打撃技に移り変わる。
いつでも打撃から投げ技移り変わる。
いつでも投げ技から関節技に移り変わる。
一つの技に自信はあっても、そこからいつでも、どんなふうにでも変化できるゆとりや、空間が必要だ。