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Gardener and Florist





Flowers



「 庭 」で生きる花

「 部屋 」で生きる花


Gardenerはどんな世界を見て

Floristは
どんな世界を見ているのだろうか



時には同じ花を見て





チューリップ一輪例えにあげても、

花屋さんにとって、私たちにとって
それぞれ別々の世界があるというか、そんなことを感じた時がありました。


業界の方であれば、とてもこの不思議な違和感を理解してくださる人もいるのではないかと思います。



建築業界から造園業界に身を移して、

おそらく私が「植物を生きものとして」美しく感じられるようになったのは庭木ではなく、花屋さんの花たちがきっかけだと感じています。



カーネーション一輪、チューリップ一輪、

どれも決して安くはない。


買ってはうっかり水を変え忘れて、
花瓶の中がにおってしまったり。


しまいには枯らしてしまったり。



小学生の生き物係で味わった日々が思い起こされるのです。


そんな社会人はじめだったのです。

常日頃そばに飾れるほど、生活に余裕がなかったのかもしれません。



もちろん花を活けることには憧れはあって、海外のスタイルのように
常にお花があって朝ゆっくり水を変えて、おまけにコーヒーでも入れて。


イメージはすごく湧くのにやっぱり、
金銭的にも、その時間の余裕がないと思い込んでいました。




今日は、私が切花の世界と庭の世界をつなげてに考え始めたきっかけについて書き残そうと思いました。


造園業界でのネイティブプランツの流行


造園計画をしているとき、オーストラリアや南アメリカなど温かい国々を原産とするネイティブプランツが流行っている時がありました。まだこの流行は続いていると思います。



バンクシア


感じ取ったその流行に追いつくために、その植物を知識を得るため少しでも多くその植物たちに触れようと思いました。

土日は近くの園芸屋さんに通い、一人のお客さんとして店員さんに質問したりして。



そんなことでは物足りなくて、切花の世界(花屋さん)でもたくさんこのネイティブプランツがあることを知って、花屋さんに通い始めました。

常に部屋にその花たちをおき、なぜこれが流行るんだろうかと、惹きつけるものとは何か考えるようにしました。



ネイティブプランツが流行った背景で、アパレル業界が大きくあったのではないでしょうか。


あの力強い色と独特のフォルムに多くの人が魅了された。ショップのディスプレイにも使われ親しみが増していく。また花期も長くドライフラワーとしてそのまま活用できると言ったらやっぱりみんな飛びつく。




「花のある暮らし」というものを初めて

最初は、水を変え忘れてすぐ枯らしちゃったり、
水を変えるのがとってもおっくうになったり。

そんな失敗は多々ありました。



そして暑い夏を迎え、切花と向き合う難しい時期がきました。


朝早く家を出て、20時、21時頃に仕事から家に帰る。

そうすると花たちは花瓶の中でぐったりしている。


閉め切った蒸し暑い部屋の中。
人間さえもぐったりする、
そりゃあそうだと。



枯れてしまったら次の花を買う。
そのサイクルが早くなる連れてお財布のことも気になり出したりして。

1本1本がすごく貴重で、なるべく長持ちさせたいとか
朝、花瓶に氷を入れて行ったりした時期もありました。



そうこうしているうちに


花のために、

朝より早く起きるようになり、

花を買い続けるために、無駄なものは極力買わなくなったり。


私自身の行動がとても変わりました。


そして、たくさんの素敵な花屋さんに出会いました。

同じ植物を扱うお隣の業界。


なかでもFarverの渡辺礼人さんの個展は心に突き刺さるものがありました。



そしてそんな生活の中で

花をたくさん飾るだけが全てじゃないということに気づきました。



もちろん大きな花束は美しいし、
花屋さんが束ねてくれるものはセンスに満ち溢れ
一気に部屋の雰囲気が変わり、生命力に溢れる。


ただ持つ花の数が多いほど
花が手から離れていくような感覚がありました。



自分の手入れのできる範囲で楽しむ

自分の生活を知る



時には花よりも花瓶がメインの時だってある。


たった一輪でもいいんだと。


庭の世界も同じだと。



一輪の姿を貴重に楽しんだことが、花の魅力を知ることになったのです。








生み出す自然界の世界

色の濃淡であり、形であり。

香りであり。

同じ花を買っても一つ一つ全然違う。


本当に美しく、ゆっくり向き合えるようになりました。



業界の不思議


こういった花屋さんで買える花は、生花を専門とする生産者さんがいる。



チューリップにしても

庭に咲くチューリップと花屋さんのチューリップの生まれは違う。


この違いを知った時、私はすごく驚いたことを覚えています。


私が力を入れて観察していたプロテアやバンクシアなどのネイティブプランツ。


セルリアブラッシングブライド


花屋さんが見ているものと
私たちが見ているものは違うんだと。


造園業の私たちは植木鉢に入った姿を常日頃見ている。


簡単に大きな違いをいうと
がついているかないか。




花屋さんはこの根のついた樹形、姿を知らないこともある。



もちろん逆もある。

花屋さんが知っていて、造園やさんが知らないこともたくさんある。


1つの花をとおして起こる

この違和感が私にとって、とても不思議でたまらないのです。


そんなことを考えていると、

家の外と中を行き来する植物に対する考え方が変わったのです。


「庭」で育った植物を「部屋」に飾る。

「花屋で出会った植物」「庭」で育てみる。


そんな心の動き

その人のまわりで起こる植物の動きがあったら良いなと思うのです。


家の内と外で起こる
そんなサイクルがもっと豊かな暮らしに繋がるのではないかと。


流行はとっても早くどこかそれに追いつくのが必死だったあの時。


今振り返るとこの時間が

私が植物と向き合い始めた瞬間だったんだと気付きました。






それぞれの身の丈にあったもので。

少しづつ、

丁寧に

植物と向き合えたらと思います。















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