井上道義#50
月一エンタメ、2月版。
本日は10年以上ぶりのオーケストラのコンサートへ。
どうせいくならと、直前にとったNHK交響楽団のチケット。
演目は三曲。
ヨハン・シュトラウスII世/ポルカ「クラップフェンの森で」作品336
ショスタコーヴィチ/舞台管弦楽のための組曲 第1番 -「行進曲」「リリック・ワルツ」「小さなポルカ」「ワルツ第2番」
ショスタコーヴィチ/交響曲 第13番 変ロ短調 作品113 「バビ・ヤール」
何よりこの公演は、ショスタコーヴィッチを知り尽くすマエストロ、井上道義のN響定期公演ラストタクトということもあり注目された。
さらに演目がショスタコーヴィッチの交響曲13番、通常バビヤール。
ロシアによるウクライナでのユダヤ人虐殺をテーマに描かれた題目だというから、複雑なな想いが交差する。
井上氏のラスト、
この時代にロシアウクライナのシビアテーマを持つバビヤール、
満員のNHKホールは、ただ余暇を楽しむといった雰囲気ではない、異様な空気感だった。
ヨハンシュトラウス二世のポルカでは楽団員が楽器を落とすというハプニングがあったものの、
前半戦のポルカワルツゾーンは井上ワールド全開、コンサートホールにいながらライブハウスと見紛うほどの自由さに圧倒された。
そして休憩を挟んでの後半戦。
もはやふざけなしの真剣勝負。
井上氏がN響のタクトを最初に振るってから46年、その日々をここに詰め込むようなバビヤール。
そして最後の最後まで振り終わった瞬間、
約三千の観客の心に残るは、聴き終えた疲労に張り巡らせる想いによってできる非常に複雑味な感情。
ただし、圧巻のパフォーマンスに惜しみない拍手が送られた。
久しぶりのオーケストラ鑑賞が、ここまで圧倒されるとは思わなかった。
SNS上にも賛辞が溢れていた。
非常にとっつきにくいプログラムだったが、
オーケストラそのものにも感動したので、
また違うプログラムにも行ってみたいな。
今日のバビヤールの終わり方、えげつなかったで。