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【魔法少女】【感想】アニメ『おジャ魔女どれみナ・イ・ショ』〜一人一人のキャラクター背景を丁寧に〜

こんにちは、唐梨です。
今日は『おジャ魔女どれみナ・イ・ショ』の感想について書こうと思います。
それでは早速いってみましょう。





『おジャ魔女どれみナ・イ・ショ』とは?

2004年6月から2004年12月までスカパーにて有料放送された、おジャ魔女どれみシリーズの5作品目。ただし、これまでの4作品の続編というわけではなく、あくまで番外編。そのため時系列としてはシリーズ3作品目の『も〜っと!おジャ魔女どれみ』に準拠しています。




一人一人のキャラクター背景を丁寧に

『ナイショ』は、おジャ魔女本編の4つのシリーズを補完するような、一話完結式のエピソードが特徴です。どれみちゃん達メインキャラはもちろんのこと、本作初登場のオリジナルキャラクターに、クラスメイトどころか藤原家のばあやまで取り巻く人々にスポットライトが当てられた話もあり、より多角的におジャ魔女の世界観に浸れます。

わざわざ本編ではなく番外編を作っただけあって、超贅沢なおまけ要素や特別感を味わうことができ、どのお話も面白いのですが、中でも特に私がグッときたお話を3つ厳選して、感想を述べさせていただくこととします。




特に好きなエピソード3つから感想抜粋

第4話『ノンスタンダード〜おんぷのないしょ〜』

これはかなり好きなお話!とても印象に残っています。

ほぼずっと、おんぷちゃんのモノローグや独白でストーリーが進んでいく異色作で、なんだか小劇場で映画を観ているような、あるいは難解な文学を読んでいるような、そんな気持ちになりました。チャイドルとして大人たちと対等に仕事をしている、クールで早熟なおんぷちゃんだからこその内面の動きが繊細に描かれています。

人には誰しも、人生のどこかしらで、同じ毎日の繰り返しの現状にモヤモヤする瞬間があると思います。けれど、そのモヤモヤの正体や対処法が何なのか分からなくて、色々もがいたりあがいたりして、そうやって行動していくうちに次の人生のステージに進む、という経験がある方も多いのではないでしょうか。後から振り返ってみれば、それが「成長」だったんだな、と気づけるような経験です。

私はそれを勝手に「心の脱皮」と呼んでいるのですが、おんぷちゃんの「心の脱皮」は、わずか小学校5年生にして芸能人として成功を収めているがゆえに、もはや思春期~成人後の間に感じるであろう「心の脱皮」で、大人こそ見応えがあります。多感に揺れ動く心の様子は必見。




第9話『バッチグー野球部〜魔女たちのないしょ〜』

これはですね、もうね、馬越さんの可愛いデフォルメ作画が炸裂していて、完全にギャグに振り切っていて大好き!ももちゃんの、黙っていれば美人なのに、ちょっと天然で暴走しがちな残念な魅力をふんだんに描いてくれています(笑)

前述のおんぷちゃんのエピソードとは180度方向性が異なり、ツッコミどころ満載で、頭を空っぽにして爆笑しながら楽しめるお話。しかしながら、9人でプレーする競技にもかかわらず部員が2人しかいない野球部へ、さらりと人数集めに協力するよと言えちゃうももちゃんの人柄の良さは本物。

ももちゃん、小学校5年生からの転校生ですし、アメリカからの帰国子女だから日本との文化の違いに苦労するのですが、それでも持ち前のまっすぐな爽やかさでナチュラルにクラスに馴染んでるんですよね。もちろん同じクラスのどれみちゃんの存在あっての部分も大きいとは思いますが、とはいえアメリカ時代に1人で魔女見習いとして試験に合格していた能力・人柄は本物だなと。

そんなももちゃん好きには必見のエピソードです。




第13話『時をかけるお雛様〜どれみのないしょ〜』

最後はもちろんこれ!最終話にふさわしい、笑えるのに泣ける珠玉のお話。

特にお雛様の前ではるかママ、どれみちゃん、ぽっぷちゃん、ふぁみちゃんと並んで会話するシーンは、母から娘へと代々繋がれる「幸せに過ごせますように」という想いにじーんときます。なんなんでしょうね…『おジャ魔女どれみ♯』の感想でも書きましたが、春風家の話にめっちゃ弱いんですよ私…。

また、ふぁみちゃんから見たおばあちゃんがどれみちゃんなことは明言されていますが、おじいちゃんが誰なのかはあえてハッキリさせない演出も心憎いなと。なぜって、そもそもどれみちゃんが魔女見習いになった理由は「好きな男の子に告白する勇気が欲しい」だったから。

その願い(いや向こうから告白してきた可能性もありますし、仮にどれみちゃんから告白したとて必ず成就するとも限りませんが、孫の回想シーンから察するに恐らく幸せな結婚をしたのだろうという解釈)はおそらく叶ったのだろうな、ということは視聴者にやんわり伝わりつつ、でも肝心のお相手が誰なのかは視聴者の想像に委ねる。しかも、どれみちゃんは小学校卒業時点で魔女にならない道を選択していますから、魔法の力なしで叶えたことになる。

これぞ、魔法をテーマにしたアニメなのに、魔法がなくても変化を起こせる描写を大切にする、おジャ魔女シリーズらしい締めくくりではありませんか。ふぁみちゃんの人柄からも、きっと未来の世界ではおばあちゃんやその友達のように、あくまで魔法はきっかけとして、周りの人達の心を明るく照らしているんだろうなぁと想像してしまいます。




最後に

今回は厳選3つだけのエピソードについて感想を述べましたが、これ以外にも矢田はづ回とか、のんちゃん回とか、神回はたくさんあります。全13話とコンパクトな話数なので、ぜひ視聴してみてください!


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