凛々椿

基本的に、酒を飲んで書きます。

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【短編小説】ほたてはナオミの夢を見る

 死んでいるのに死にたくなるような、暗くて冷たい冷凍庫から取り出されたとき。ほたては、養殖場でのできごとを鮮やかに思い出していた。仄暗い海の底から引き揚げられた、あの瞬間。降り注ぐ陽光は、ほたての眼点を、炙るようにチリチリと焼いた。  蛍光灯も、突き刺すようにまぶしかった。いよいよ、食べられるときがやってきたんだ。クラクラした。ワクワクした。引き揚げられたあのときのように、無垢な夢と希望とが胸中に満ち満ちた。回転寿司店の厨房の、臨戦体制のようなあわただしさに、ついうっとりとし

    • ボトルキープ・コレクション①

      行きつけの居酒屋で、ボトルキープした瓶に落書きをするのが恒例になっている、という話を前回したと思うのだけど、手元に残ってるそれらの画像を集めてみました。全く酷いものだよ。 時系列も支離滅裂に、本名も包み隠さずにいきます。 人のこと話しといて自分のことを話さないのもね。なので、疾とご覧あれ。