健常者、障害者
わたしは、立派な、障害者だ。
しかしながら、世間のほとんどのひとは、
いわゆる、健常者だ。
そんな人々が、自分のことを
「健常者」だと意識しているのか、知らない。
「健常者」であることの利益を、あるいは幸せを、
最大限に享受していることを
理解しているのか、知らない。
…きっと、無意識なのだろう。
空気のように、
あってあたりまえのことなのだろう。
そんなことを、考えもしないことが、
きっと、当然なのだろう。
わたしは、立派な、障害者だ。
ゆえに、それについて、
哲学的に考える。
無意味な、思考。
無為そのものだ。
そうして、日々は過ぎてゆく。
ある日、唐突に、死に捕らわれるまで。