【連続note小説】日向食堂 小日向真司26歳
歳之がやっと大学院を卒業した。
真司は大きな、大きな荷物を一つ肩から降ろすことができた。
弁護士になるためには司法試験をパスしなければならないが、歳之は働きながら勉強すると言ってくれた。
真司があおいと別のアパートに住むようになり、文枝と歳之は二人で暮らしていた。
真司は少ない金額ではあったが、月々の給料の中から文枝に送り続けた。
文枝は遠慮して受け取ろうとしなかったが、真司は強引に押し付けた。
あおいは苦しい家計の中で、それを何も言わずに快く認めてくれた。
働きながら司法試験に合格するには狭い門を潜り抜けなければならない。
それでも歳之は歯を食いしばって勉強を続けた。
母には心配を掛けてばかりだったから、老後の面倒は自分が見ようと思っていた。
自分のせいで兄は青春を棒に振った。
兄にも少しは恩返ししなければいけない、そう思っていた。
いろいろと紆余曲折はあった。
いつもお金に追いかけられて、お金の心配ばかりしていた。
しかしこの家族はそんなことを乗り越えて、互いを強く思い合えるようになっていた。
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<続く…>
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