【連続note小説】日向食堂 小日向真司52歳
優子が結婚することになった。
真司は不思議と寂しいとか悲しいと言った感情はなかった。
このぼろアパートから誰かが解放してくれる、その思いの方が大きかった。
結婚式は身内だけで質素に行われた。
なぜか呼んでもいないのに稲本の姿があった。
真司:「何でおまえがいるんだよ」
稲本:「固いこと言うなよ、おれは身内みたいなもんじゃないか」
父親の真司が、新婦の親族代表として挨拶をすることになった。
「優しい子になってほしいと願って優子と名付けました。
本当に優しい子になってくれました。
親に気を使って進学しないと言い出した時は、説得するのに苦労しました」
優子は微笑みながら聞いている。
「そんな女性なのですが、芯の弱いところがあって・・・。どうかそこをうまくフォローしてやってください。」
優子はまだ微笑み名が聞いている。
「順風満帆な人生などなくて、不安に陥る時は必ずやってきます。
優子は優しいからきっと旦那さんを支えてあげられる。
優子が信じた相手だから不安になる必要はない。
君は優しいから、きっと大丈夫」
もう優子は泣いていた。
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<続く…>
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小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。