映画「エグゼクティブ・デシジョン」
かなり以前に観た映画の話だ。
大ヒットはしなかったが、凄く印象に残っている。
テロリストにジャックされた旅客機から乗客を救出するというありきたりなストーリーだ、と最初は思っていた。
カートラッセル演じる戦闘能力を持たない科学者が主人公だ。
その当時、肉体派俳優で名を馳せたスティーブンセガールが救出チームの隊長に扮していた。
ぼくは登場人物を見ただけで、どうせスティーブンセガールがマシンガンをぶっ放して、テロ組織を制圧するといういつものありがちなストーリーを思い描いていた。
映画の序盤、飛行する旅客機にステルス機で敵に気付かれずに乗り移るシーンだった。
まだ何もストーリーが展開させてもいないのに、何とここでスティーブンセガールがトラブルで退場してしまうのである。
ぼくは唖然とした。
何という演出だろうか。
絶対的ヒーローが序盤でいなくなり、旅客機に乗り移ったのは科学者と任務経験のない若い兵が数人のみ。
旅客機は数時間後に爆発する。
敵を制圧しなければ全員死ぬことになるが、戦うにも司令官がいない。
闇雲に戦えば犠牲者が出る。
それに爆弾処理のエキスパートは大怪我を負ってしまっている。
この段階で取り返しのつかない絶体絶命の状況を迎える。
この演出はぼくに極限のハラハラドキドキ感を与えてくれた。
もう画面から目を離せられない。
ラストシーンまでお話しするのは控えさせていただくが、ヒーロー映画の全盛期によくこんな奇想天外なストーリーを思いつくなぁ、とあの時は感心した。
ぼくの忘れられない映画の一つになった。
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