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「小五郎は逃げない」完結に寄せて~ありがとうございました

 皆様、連載小説「小五郎は逃げない」を最後までご愛読いいただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
 
 この物語を執筆したのは3年前のことになります。司馬遼太郎先生に憧れて、自分でも歴史小説を書いてみようと思い立ったのがきっかけです。物語の構成作りから始めたのですが、歴史上の人物の扱いには特に注意をしました。皆様、それぞれに長年のイメージが固着されていて、それを崩してしまっては歴史上の人物とそのファンの方に失礼にあたります。ただ私には私の思いがあり、それをフュージョンさせることに注力したことを覚えております。
 
 この物語は私の頭の中の空想に過ぎません。しかし激動の時代に命を懸けて信念を貫いて生きた男たちなら、きっとこんな出来事を巻き起こしただろうなって、彼らは私の想像を掻き立ててくれました。この想像を頭の中で描けば描くほど止められなくなって、それを文字にしていこうと思いました。それには信念の塊のような男たちでなければ、このストーリにはふさわしくないと思い、偉人たちの名をお借りしました。やはり架空の人物設定ではしっくりこなかったのです。
 
 ラストシーンだけは最初から決めていました。夕暮れの河原で二人が今生の別れをします。小五郎は悲しみの叫び声を上げるのですが、以蔵は人斬りから解放され人に戻ります。人に戻ってしまったからには、過去の罪を償わなければなりません。彼は人として死んで行きます。対照的に人を殺めなかった小五郎は、生き長らえてその後に明治維新という偉業を成し遂げます。少なからず以蔵という存在が小五郎の力になったかもしれません。以蔵は死んでしまいましたが、彼の意志は生き続けたのです。
 
 この物語に懲りずにまた一味違った歴史小説を書いています。いつの日かnoteに掲載することができるようになったら、またご一読いただければ幸いです。
 
 「小五郎は逃げない」をご一読いただいた皆様の心の片隅に、小五郎と以蔵が少しでも長く居続けさせてもらえることを願っております。
 
 愛する読者の皆様のために、小五郎は逃げない!


▼「小五郎は逃げない」第1話から第48話までマガジンにまとめています▼


小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。