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時代小説と時代劇(後編)

何度も同じことを言って恐縮だが、時代小説は史実に基づいている。

時代劇はあくまでも創作の世界。

ぼくはリアリティさを求めているのかもしれない。

侍ヒーローが悪人をバッタバッタと斬っていく、いわゆるチャンバラよりも、歴史上の人物の生き様や心の葛藤を見たいと思うようになったのかもしれない。

子供の頃に時代劇を見ていたのは、親父の影響もあるが、チャンバラが楽しみで観ていたのだろう。

水戸黄門もなんだかんだとスケさん、カクさんが格闘していた。

確かにお決まりのエンディングを観終えたときにはスッキリした気分になる。

時代小説は確かにチャンバラのような派手なシーンはあまり描かれない。

しかし、主人公の成長を淡々と描いてくれる。

それが良い。

今村翔吾先生の「八本目の槍」は久しぶりに本を読んで泣けた。

悪名高い石田三成をこれまでの通説と違う切り口で描いている。

本当は情け深い、奥の深い人物として・・・。

主人公の石田三成は最後に処刑される運命にあり、決してハッピーエンドではない。

しかし、読み終えた時はホッとした気持ちになった。

ぼくはこの小説のお陰で、石田三成のイメージが一変してしまった。

時代小説にはこんな素敵な出会いもある。

これもこれも司馬先生や今村先生が、天才故の恩恵に預かっていることは間違いない。

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鈴々堂/rinrin_dou@昭真
小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。