【連続note小説】日向食堂 小日向真司32歳
「よぉ、真司じゃないか」
ハローワークに向かう途中、真司は後ろから呼び止められた。
「なんだ、おまえか」
振り向くと稲本武敏が立っていた。
派手なスーツに派手な装飾品を纏っていた。
見るからにガラの悪そうな身なりをしていた。
稲本が立ち上げた不動産会社が急成長を遂げ、今では地元では有名になっていた。
「どこに行くんだ」
「会社をリストラされた。仕事を探しに行く」
「それは困ったなあ。俺に任せろ」
稲本はそう言うと、嫌がる真司から無理やり自宅の電話番号を聞き出した。
数日後、稲本から電話が掛かってきた。
「真司、おまえ料理できるか」
「卵焼きくらいならできるけど」
「そうかぁ、そりゃよかった。おまえ定食屋をやれよ」
「はぁ、金も腕もない。そんなもん、できるわけないだろ」
「いや、ちょうどいい物件があったんだ。
金はおれが立て替えるし、必要な調理器具はおれの会社で用意させる。
明日からおまえは定食屋のオーナーだ」
稲本は強引に話を進めてしまった。
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<続く…>
<前回のお話はこちら>
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