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【連続note小説】日向食堂 小日向真司46歳

「最近、店、流行ってるみたいじゃねえか」
「まぁ、そこそこってとこかな」
稲本は日向食堂の常連客になっていた。
稲本は社員を連れてよく店に来てくれた。

「おまえ、来てくれるのはいいけど、その格好、どうにかならないか」
稲本も社員も身なりがどっからどう見ても、普通のサラリーマンではない。
「これも仕事には必要なことなんだよ」
ぶすっとする部下の頭を一発叩いて、稲本はご機嫌だった。

「稲本、お前のおかげで助かったよ。本当にありがとう」
「水臭いこと言うなよ。救ってもらったのは俺の方だ。あの時はお前に会わなかったら、俺は今頃刑務所にでもいるんじゃないかなぁ」
「別に何をしたってわけじゃないけどなあ」

「真司は人を助ける運命にあるんだよ。お前のすることが全て人助けなるんじゃないのか。恩義ってのはブーメランみたいなもんでな。おまえ、そこら中にブーメラン投げまくってたから、まぁその一本が回り回ってお前のところに戻って来たんだよ。一本じゃねぇな。吉田の分も合わせて二本分だ」

「なんか話しがよくわからん」
二人は顔を見合わせて大声で笑った。

▼関連エピソードはこちら


真司が生まれてから人生を全うするまでを連載小説として描いていきます。

<続く…>

<前回のお話はこちら>

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