1974年、子供達はマジンガーZに熱狂した
子供の頃、マジンガーZというロボットアニメに夢中だった。
ぼくだけではない。
友達という友達は皆が見ていた。
巨大なロボットが縦横無尽に動き回り、敵をバッタバッタと倒していく。
上半身は武器だらけで、多彩な攻撃ができる。
子供達は夢中になって見ていた。
ストーリーは実にシンプル。
地球侵略を企む悪の組織とマジンガーZが戦闘するのだが、毎回登場する敵のロボットをマジンガーZが破壊していく。
ただそれだけ。
マジンガーZは元々飛行能力がないのだが、ストーリーの中盤あたりから、巨大な翼のパーツが作られて、それとドッキングすることで飛行するようになった。
たったそれだけのことで、"マジンガーZが空を飛んだ!"とぼくたちは熱狂した。
現代のアニメのことはよくわからないが、マジンガーZはリアリティさに全く欠ける。
それなのに何が子供達の夢中にさせたのだろうか。
ウルトラマンや仮面ライダーなどのヒーロー全盛期に突如巨大ロボットを出現させた斬新さだろうか。
ヒーローは元々人間だ。
ヒーローに変身したからと言って、人間が戦っている感覚で見てしまう。
完全無欠のヒーローも敵にやられてしまえば、死んでしまうという恐怖心が子供達の心のどこかに潜んでいる。
ロボットは血の通わないマシンだ。
壊されても、修理すれば元通りになって、また戦うことができる。
この感覚の差が子供達には斬新に思えたのだろう。
ちなみにマジンガーZは最終回で再起不能になるまで破壊されます。
しかし新たなロボット、グレートマジンガーが敵を撃破してくれます。
マジンガーZが破壊されるシーンはショッキングでしたが、主役は別のロボットに引き継がれ、お役御免となりました。
何だか粗雑に扱われるのは戦闘マシンの悲しい宿命でしょうか。
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