【ショートエッセイ】書類の山は片付けよう

サマリーマンを30年やってきて、ぼくにもちょっとした思い込みがある。

"自分のデスクの周りが片付いていない人は仕事ができない"

特にデスク周りが書類の山だらけになっているのはもってのほかだ。

ぼくが人のことを評価できる程のエリートでも何でもないが、何百人もサラリーマンを見てきた経験則に基づいている。

"仕事ができる"と言ってもいろいろな要素がある。

その一つは情報の開示。
持っている情報をいち早く部署員に共有する。

そうすればその情報を聞いた部下たちは、自分に仕事を振ってこられるかもと身構えながらも、無意識に準備を始めているものだ。

だから情報開示は早ければ早いほどいい。
自分一人で情報を抱え込んでしまうと、仕事の流れが停滞するだけでなく、部下たちの不満が蓄積する。

このミスは卓越した技術力を持っている人がやりがちだ。
なぜそんなミスをしてしまうのか。
それは仕事の整理ができないから。

来た仕事を順番にやっていては、とても追いつかない。
優先順位を付けて、第三者に手伝ってもらえる内容のものは遠慮なく振る。

この仕訳がちゃんとできれば、自然とデスク周りの書類が片付いていくことになる。

最近は仕事をデータで管理するようになってきた。
だから書類の山で仕事の出来不出来を図れなくなってきた。

その代わりの判断材料がメール。

あまりじろじろと見る機会はないが、未読メールがずらりと並んでいる同僚のパソコンの画面を垣間見ると、ぼくは目を覆いたくなる。

これも書類の山と同じだ。
自分の処理能力を超えてしまった作業を、後回しに後回しにしてしまった結果だ。

こうなったらもう第三者はだれも助けられない。そうやって仕事をため込むスパイラルに陥る。
そして組織としての連携も滞る。

30年の間にデスク周りの整理ができている人が、書類の山を作っている姿を見たことがない。
それとは逆にデスク周りが散らかっている人が、急に整理し出した姿を見たことがない。

この思い込みはけっこう当たっているかもしれない。

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鈴々堂/rinrin_dou@昭真
小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。