【連続note小説】日向食堂 小日向真司56歳
3年程前に日向食堂で大喧嘩をした夫婦がまたやってきた。
名前を中村友之・美智子と言った。
友之:「その節はご迷惑をおかけしました。
オヤジさん・・・とお呼びしていいんですよね」
真司:「あぁ、みんなそう呼んでるよ。
俺は何もしてないけどね」
美智子:「息子の供養をしながら、また二人でやっていくことにしました。
オヤジさんの説教で目が覚めました」
真司:「そうかい、それが一番いい。
息子さんも喜んでるよ」
友之と美智子はバツの悪そうな顔をした。
友之:「息子が死んだことを妻のせいにしてましたけど、これは運命だったんですよね。
神様が乗り越えろって言ってると思うようにしました」
真司:「そうだよな、神様があんたたちに何かさせたいんだろ。
こらからゆっくり探せばいいじゃないか。
夕ご飯、食べていくんだろ」
二人はそれぞれに料理を注文した。
美智子:「この前、ここの料理を食べたら急に気が落ち着いたなぁ」
友之:「そうだったなぁ。
最近、思ってなることがあって、おれたちみたいな子供を亡くした親どうしで交流ってできないかな」
美智子:「そうね、それがいいかも。
やっぱり転機はここの料理を食べてる時ね」
真司:「なんだよ、もう神様はやることを与えなさったのか」
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<続く…>
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小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。