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すごく酒を飲みそうな人

よく人に、すごくお酒を飲みそうだと言われる。

バイキングみたいな見た目と笑い方だからだろうか。

しかし申し訳ないことに、見掛け倒しの私はお酒を飲めない方だ。

お酒を飲みすぎると、とにかく頭が痛くなるし、体に赤と白のマダラ模様ができるし、本当に飲めなくなる。
↑あきらかにアセトアルデヒドが分解されていない。

アルコール自体も、あんまり好きじゃない。
ジュースみたいなものしか、いつも飲まない。
ビールも日本酒も焼酎もワインも、勧められたら飲むけど、そんなに好きでもない。

新宿ゴールデン街に通っていた頃は、ジャックダニエルや芋焼酎のボトルを入れていたけど、一人で飲んでも全く減らなかった。

次から次へと友達が私の代わりに通って飲んでしまうようになって減ったけど、ひとりなら5年くらいはもったかもしれない。

しかし私は、かつては新宿ゴールデン街や神楽坂のバーに、週五で通っていた。
もちろんひとりで。
全然お酒も飲めないのに。

なんで私が酒好きでもないのに、ほぼ毎日のように酒場に通っていたかというと‥。

それはひとえに、酒場が好きだからだ。

私はとにかく、酒場の雰囲気も、酔っ払いも、大好きなのだ。

酔っ払いに絡まれると、面白い。
面白くない酔っ払いなら、素早く離れればいいだけ。
酔っ払いは、いつもは言わない本音を話してくれるので面白い。そんな本音を聞くのが好きだ。
馴れ馴れしいところも好き。すぐに仲良くなれるみたいで。

よく酔っ払いには、私が酔ってないのはズルい、なんて言われるけど、私はそれは、ちがうと思う。

私は酔っ払いの横に行くと、自分がようやくその場に溶け込めている気分になる。

私からすると、私はいつも酔っ払い並みのテンションと本音度で生きているのに、普段の周囲のみんなが素面すぎて、ちょっとだけ不安な気持ちでいる。

みんなが酔っ払いになると、ようやく私はみんなと同じになれて嬉しいのだ。

だから酔っ払いの中にいると、居心地がいい。

そう。私はいつも、シラフでも酔っ払いみたいな人なのだ。

そんな私が酔っ払うと、もっと手がつけられないほど、本音がただ漏れになる。

そしてなぜか、博愛主義みたいな、全ての人が愛おしいような気持ちになってきてしまう。

キリスト教でもないのに、すべての隣人を愛せるような気持ちになるから不思議だ。

このまま酒を飲み続ければ、私は人を愛しすぎて、なにか宗教家みたいなひとになっちゃうんじゃないかな?なんて思うぐらい、愛のある人になる。

だけど私はいつも飲み会では、「もう飲むのをやめなさい、アナタ」と、たいてい人に止められてしまう。

さて、なんでだろう?

飲み会が好きだけど、お酒を飲むと、みんなに飲むのを止められる。

不思議だね!

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