映画【マザー!】から考える、信じること
こんばんは。しまざきです。
今回は昨日の予告通りおすすめした作品
映画「マザー!」について。
【マザー!】(2017)
「ブラックスワン」の鬼才
ダーレン・アレノフスキー監督が描くまったく新しいサイコスリラー。
主演には「世界に一つだけのプレイブック」で主演女優賞を受賞したジェニファーローレンス。
この作品、正直
めちゃくちゃ胸糞悪くなります。
とういうのも、日本では公開中止にされたり
米国では評価が最低ランクのFだったりと、
問題作っちゃ問題作。
しかも一回見ただけじゃ理解できない。
理解しようと思えない。
「わっけわからーーーーん!!!!」
と見終わった後、ちゃんと叫びました。
じゃあなんでそんな作品をおすすめしたんだよ、という感じですが。
理由は、この作品には難解かつ重みのあるメッセージがいくつも練りこまれているから。
大きく言うと、
宗教批判
の要素が入っています。
あまり宗教に馴染みがない現代の私たち日本人ですが
この作品では、キリスト教の姿を抽象的に映しています。
神、聖母、人間、キリスト…
これらの存在が登場人物たちに当てはめられ、
生〜死、そしてまた再生。この永遠のサイクルが生々しく、グロテスクに描かれている。
お話としては
郊外に佇む豪勢な一軒家に二人で暮らしている夫婦がおり、夫は執筆活動をし、妻は家の修復を続けている。
そんなある日、見知らぬ男が家を訪ねてくる。夫は快く迎え入れるが、妻は男を迎え入れる夫に不信感を抱く。そこから男の身の回りの人間たちが家に集まり、夫婦の生活は一変していく…
という感じで、家に知らない人間がたくさん入り込んできて気持ち悪いし
なぜか、それを快く迎え入れる夫も気持ち悪いし
後半にかけてのシーンとかもうカオスで気持ち悪いし
久々に「気持ち悪い」映画を見つけてしまったなあ…と。
でも、
その「気持ち悪さ」を知っている、と感じた。
それは、人間の行き過ぎた信仰の姿だったから。
その夫婦の家に押し寄せる人々は皆、執筆活動をしている夫のファンだった。それはイコール、『神(偉大なる存在)』ということ。
神の元を訪れた人間たちは様々な罪を犯す。
妻が修復した家のいろんな物を壊したり、我が物顔で自分好みに変えてしまったり。
挙句には、妻にとって大切な物を壊します。(ネタバレになるので控えておきます。)
その時に激怒し、狂乱する妻に対して夫は
「彼らを赦さねばならない」と説得する。
いくら、大きな罪を犯しても「赦さねばならない」
このイエスの教えは、時に救いになり、時に残酷なもの。
キリスト教信者は、同じキリスト教信者に対しては「赦す」ことをするそうですが
他宗教信者に対しては「一切赦さない」そうです。
その部分を皮肉めいた表現で撮っている。
わっかりにくいけれど、わかる。
なんだか宗教が馬鹿馬鹿しく思えてくる。
結局、仲間ごっこをしているだけじゃないのか。
良い影響を与えることもあれば、人間としての視野や心を狭くすることもある。
人は何かを信じることで救われている。
これは確かにそうだと思う。
神様なんて、いるかどうかわからない。
けれど、からだを震わせるほどの願いや、どうしようもない哀しみをこころに持った時に人は、誰でもない、どこにいるのかもわからない神を崇拝することによって救われる。
祈ることで、心で話しかけることで
それが自分の安心剤になる。
不安な時に誰かに「大丈夫だよ」って言って欲しいみたいに。
どうなるか誰もわからないのに。
神は自分の心の中で「大丈夫だ」と言ってくれる存在なのかな
自分の中で無意識に作り出した自分にだけ優しい神なのかも。
だから聖書や経典に書いてあることが全て正しくなる。従わなければならない。
だからって、他宗教の人間を赦さなかったり、人を殺したりしていいのか。
理不尽だ。気持ち悪い。
人は信じすぎるとダメになる。
そう、思ってしまう。
でも、こう思うのは、私が宗教を熱く信仰していないからなのだろうな。
私は、何を信じているのだろう?
両親、そばにいる大切な人たち、愛犬、カップ焼きそば、
自分。
結局自分のことを信じないとなにもできない。
自分を信じてあげないと、自分がもったいない。
私は、自分のことを信じて、ちゃんと、生きていきたいです。
今回、すごく小難しい内容になってしまいました。
宗教観とか、信仰について思ことは人それぞれなのでこの文を読んで気分悪くした方いたらすみません。ただ、私は思ったことを、書こうと思いました。
そうそう
主演のジェニファーローレンスの迫真の演技も見ものですしなにより今回メイクが清純派でかわいい
あと、めちゃくちゃチョイ役で大好きなドーナルグリーソンが弟と出てます。
「え?え?これ、ドーナルグリーソンやないかい!」みたいな感じでするっと出てくる。しかも実の弟と。しかも兄弟役で。
まあ、サイコでカオスなスリラー好きな方の中でも好き嫌い別れる作品ではありますが、一度見ておくと
「こんな映画もあるのか」と言った感じになれるので興味のある方はぜひ。
私は、なかなかこのカオス感好きでした。
好き、というか面白〜みたいな感じ。
さ、そんなわけで真夜中です。寝ます。では
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