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わたしの猫への偏愛
今日は朝からエモーショナルで仕方ない。
愛猫が一昨日嘔吐して、その後いつもと違う行動があったので
心配でしょうがなくて、今日やっと取れた獣医のアポイントメントに連れて行ってきた。医師の話から、少し安心はしている。
愛猫現在11歳と半年。
もう立派なシニアだ。
そのフェーズに入ったということは、今までに無かったような行動や
気になる点が出てきてもおかしくない。
でも、それがとてもとても受け入れ難い。この小さな命への偏愛。
分かっている。
人間も他の動物も、いつか最期を迎える。
とりわけ猫はすごいスピードで歳を重ねている。
外見に見えなくとも、確実に。
だけれども、まだしっかりと私の前に存在してくれているというのに
色んなことを想像し始めてしまって、結局泣いている。
わたしと愛猫・Dr. Nyapoleon
(にゃぽれおん、生まれながらにしてドクター)
との出会い。
それは春の北海道。知人の広大な農場内で産まれた推定2ヶ月の子猫をレスキューした。
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とある日、その知人の家にお邪魔していた時のこと。
私たち夫婦の車のエンジン内に猫が乗り込んでしまったとは知らず、
そのまま自宅まで帰宅した。
翌日、自宅前に駐車していた車近くで「にゃおにゃお」
と、か細い声がする事に気づく。
まさか?と思って車のボンネットを開けてみたところ、
エンジンの下に隠れて叫び続ける子猫を発見した。
そのまま首根っこを掴んで、自宅のお風呂場へ。
相当お腹が空いているとみたので、フードと水を与え、
徐々に家の中で、私たちとの距離を近づけることに成功し、
レスキューから二日後には動物病院へ。
わたしはボンネットの中に子猫を発見した時から
運命しか感じられず、すぐにお迎えしたい!と決めていた。
夫は反対。
でも長い会議の末、夫を納得させ、夫婦でお迎えすることにした。
その日から11年が経った。
実は当時、知人の農場ではにゃぽれおん他、4匹の子猫が産まれていた。
通るたびに子猫たちを見に行って、すごく可愛い子がいるなーと
特別惹かれていた子。その子が後に、
私たちの車に彷徨い込んだ
にゃぽれおんだった。
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そんなにゃぽれおんは後に、旅するキャットに。
5歳の頃、北海道から山梨へ引っ越し。
その数ヶ月後には奈良へ引っ越す。
そして今から4年前の秋、一緒に海を越えてカリフォルニアに来た。
彼の猫生がこんなに移動が多いとは
家族になると決めた日には予想すらしていなかった。
よくぞ家族の一員として、私たちについて来てくれたと感謝している。
私にとっては最初の猫ちゃん。動物を飼った経験は人生で一度も無かった。
でも猫を飼ってみたい、という希望がずっとあった。
突然やって来てくれた時の感動。
この小さくて温かい生き物に夢中になって、あっという間に月日が流れていた。
途中、娘が誕生した頃は全くお構いができず、寂しい思いをさせていたと思う。
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フレンドリーで、温厚な性格。日本でもここカリフォルニアでも友人知人が褒めてくれるくらい、人の輪の中に入る猫で、子猫の時からたくさんの人に逢って来た。
腕に抱かれることが大好き。
お姫様抱っこ(?)が得意で、ピタッと私の腕の中に収まりたがる。
ふわふわの猫の毛と体温がするっと溶け込んできて、今度は私の体温に吸い込まれていく。じんわり温かくなる瞬間の幸せ。
これが私の猫吸い(猫飼いの方には分かりますよね)
であり、この日常のルーティンが、私たちの会話でもある。
これからの猫生を、彼はどんなふうに感じているのだろう。
最期、なんていつだか分からない。
彼はそれを知っているのだろうか。
だけど、確実にやってくるその日に向けて
向き合わなければならない。
どうか、1日でも長く、一年でも多くこの猫と一緒に居たい。
にゃぽ、大好きだよ。
にゃぽれおんが家に来た頃、聴き始めた中山うりさんの名曲を。