△94xの世界観 (タイプ4とタイプ9の違いも踏まえて……)

タイプ9の中にはタイプ4っぽい人が割といる。
特にトライタイプの真ん中に4が含まれる△94xの人は「タイプ4そのものでしょ」という雰囲気の人が多いから間違いやすい。タイプ4よりも△94xの人の方が人と違う振る舞いや服装を好んでする傾向があるし、傍から見て「The変わり者」という人が多いように思う、第三者の目から見ての話だけど。



そもそも変人に見えるのはタイプ4よりもタイプ9なんじゃないか説

↑おい、タイプ4に喧嘩を売るな(売ってません😂)

タイプ9でも△963とかなら“普通”の生活に満足し、出しゃばることなく周りに合わせて「おとなしいけど問題のないいい子」でいる可能性が高い。
ただ、△94x(特に△947や△945)は典型的な「普通のものに満足する」タイプ9ではなく、「やりたいことを好きにさせてほしい」という自由を求めるので周りに合わせる事を好まず集団からは浮きがちとなるし、9と4の性質が相まって「不思議ちゃん」と見られる可能性が高い。

なんというか……、△945なら遊離型が3つ重なっているので自分から個性を主張していく事はしないものの、集団に混じって何かをする事を好まないので周りからは「あの人は何をしているんだろう?」と思われる。そこで誰かから興味を持たれて話しかけられるのは良いものの、コアの性格がタイプ9で自分の内面が曖昧なので、余計に「何を考えているかよく分からない人」のイメージになる。

△947なら自己主張型の7が入るので△94xの中では最も主張的になる。と言ってもタイプ7ほどではないが……、普段の振る舞いはタイプ9なのに突然タイプ7に変貌するような人だろう。全タイプ9の中で最も気性の変化が激しい(表面的に最も激しく見えるのはおそらく△973だけど、内面が最も荒れているのは△947)。
トライタイプ478よりは控えめだけど、内面はトライタイプ478的だと言って良い。(このタイプで9w1はいるのか?「夢想家」の意味の履き違えによってウィング1だと誤認する人は居そうだけど、基本的には9w1は△974か△946で、△947は完全な9w8だと思っている。)周りが癒やし系だの和み系だの典型的なタイプ9のイメージで△947を語ろうが、本人は「破天荒で危険な内面を隠してるだけなのに。全部見せたらヤバい事になるよ?」と疑問に思っているだろう。△947はその8の野望を自他の平穏のために9で覆い隠しているので、やはり本質はタイプ9である。
自分らしくありたい、個性的でありたい、周りと違っていたい、目立ちたいという願望が△947にはあるが、それでもタイプ9なので対立は望まない。そこで△947は “自分の意見” ではなく “外見” や “芸術” といった平和的な手段で自分を表現しようとする。(もし仮に自分の意見を持っていたとしてもそれを直接ぶつけるのではなく上手いことベールをかけて棘を極力取り除いた状態で表現するだろう。遠回しに表現するというか、まるで汚れた水をろ過するかのようにおぞましい感情を“綺麗な状態”に変換させてから伝える。)そうする事により傍から見て「フワフワしている」「変わり者」などのイメージが出来上がる。



ではタイプ4はどうなのか?タイプ9との違いは?

タイプ4も同じように自分らしくありたいと望むが、タイプ4にとっては「明確な自分あってこその自己表現」だ。△94xなどのタイプ9とは違って自分の内面の状態について詳細に把握しているからこそ、それに正直になれない状態を避けたがる。何としてでも「自分の内面がどうであるか」に正直でありたい。タイプ4は常に「自分がどう感じるか?」を意識している、というか意識せざるを得ない。そうしなければ「自分の内面に沿っていない “偽物” の行動」になってしまうから。

タイプ9は自分の内面(ここでいう内面とは “自分の感情状態” や “揺るぎない意見を持つこと” を指す)からとことん目を背けて「自分は特に何も感じていない」「自分は色々な色に染まって何者にでもなれる」などと思うのに対して、タイプ4にとってその「自分の内面から目を背けた状態」は自分らしさを感じられない地獄のような状態だ。


タイプ4にとって大切なのは「自分の内面がどれだけ豊かであるか > 自分がどれだけ個性を縛り付けるものに束縛されていないか」。
△94xではこの優先順位が逆になって「自分の内面がどれだけ豊かであるか < 自分がどれだけ個性を縛り付けるものに束縛されていないか」になる。

そもそも望まないものに対して「縛り付けられている」「開放されたい」などと感じるのはタイプ9的な考えだと思っている。
これがタイプ4なら「浅はかなもの」「価値のないもの」と捉える
これは自立を求めるガッツセンター印象を意識するハートセンターの違いだと言える。

タイプ4「自分の心と向き合わずに周りに合わせているだけの人達はなんて味のない人生を送っているんだろう……。そんな奴らに到底私のことなど理解されないだろう!私はあんな奴らとは違って今まで沢山のことを味わってきたんだから!」
タイプ9「常識なんかに動かされてたまるか!私の内面に干渉などしてみろ!私は絶対に絶対に変えたりしないから。私は私の大切なものを守り続けるから。私の内部をめちゃくちゃにされてたまるか!」
くらい、考え方に違いがある。



△94xとタイプ4の芸術の世界観

△94xはタイプ4のようにダークな世界観を好む傾向がある。タイプ4のように「失い、二度と取り戻せないもの」に焦点を当てる。

これはタイプ9の「切り離されたり関係が失われる恐怖」に関連する。△94xはタイプ9だからもちろんそれを恐れているけど、その恐れを既に感じているような気がする。
△94xは「自分は他の皆とは隔たれていて、見離されていて、心の中では孤独で、つながりを失っている」と感じることが多い。(その孤独感のために高確率で「自分はタイプ4に違いない」と思い込む。)
しかし根はタイプ9なので、タイプ4のように「自分はこんなにつらいの!」と何かしらのさりげない振る舞いでアピールしようと思うことなく大抵は心の中に秘め、更に現状維持を好むので望みながらも変化のための行動を起こさない。そのため「決して手に入れられぬものに憧れる」タイプ4のように感じられる。

タイプ4との違いは、その感情を増大させてそこに浸り自分をとことん苦しめたいか(4)、その感情を感じながらもどこかしらに “救い” を見い出して幸せになりたいか(9)
タイプ4が「幸せになれたらなぁ……(そんなこと絶対叶うはずないけどね!私って本当に不幸だよね!)」と思っているのに対して、タイプ9は「幸せになれたらなぁ……(この苦しみを忘れて楽になりたい!)」と思っている。

タイプ9の苦しみの中には必ず “苦しみを和らげる要素” が含まれている。
「私はこんなにも苦しんで辛い思いをたくさんしているけど、私にはこれがあるから大丈夫だ」というものを持っている。もしくは、その苦しみを消し去って無かったことにしようとする。
タイプ9は楽観型なので、タイプ9にとって苦しみは “避けるべき感情” となる。そこから逃れる救いの道を求める。


この “苦しみと救いが共存した世界観” こそが△94xの創作世界(また心の中の世界)をよく表している。
△94xが書く「起承転結」の「承」はたくさんの苦しみで埋め尽くされ、「転」で救いが現れ「結」で救われる。こんな感じのストーリーが多い。


私の好きな歌手で推定△947の人がいて、その人の書く歌詞が本当に△94x的だと思うので紹介する。

Softly the sharp ivory
Will cut the rotten ties
One by one they come off
Like drops from my sad eyes
The river will carry away the broken roots
The living memory of a frozen past
Fedes from my mind, it no longer hurts
The river will carry away the broken roots
The river frees me from hurt memories

鋭い象牙が腐った絆をそっと断ち切る
私の悲しい瞳から涙がこぼれ落ちるようにひとつひとつ落ちてゆく
川は折れた根を運び去る
凍てついた過去の生々しい記憶が私の心をよぎる もう痛くない
川は折れた根を運び去る
川は私を傷つける記憶から解放してくれる

タイプ9には苦しみを後になって伝える人が多いという話を思い出した。
タイプ4は苦しんでいるその瞬間に苦しみを伝えたいのに対して、タイプ9はそれを避ける。

タイプ9にとって “即時の苦しみ” はとても大きすぎて激しすぎるものだから、それを感じた時にそれを調整するために黙って内面を無にしようとする。
誰かに苦しみに気付かれ、それを問題として大きくされることを恐れている。そうすれば苦しみは内からも外からもやって来て、タイプ9は圧倒されて逃げ場を失ってしまうからだ。
タイプ9は自分に「大丈夫、痛くない、苦しくない、何も感じない」と言い聞かせることによってネガティブな感情を克服しようとする。
だから自然と「つらい……でも大丈夫です。心配しないでください。」のような表現になる。

タイプ9はその感情を外に出しても取り乱さない程度に自分の中で痛みや葛藤を和らげてからでないと、それを外に出せない。内面がある程度落ち着く前に感情を表現してしまうと、自分が制御不能で壊れてしまうように感じる。
なので即時の苦しみの表現を苦手とする。

そもそもタイプ9自体が問題を作ることを望まない性格なのでタイプ9が他人に苦しみを打ち解けること自体珍しいけど、トライタイプに4を持つタイプ9は自分の気持ちに正直でありたいと考える。

そのためその苦しみはよく芸術を介して表現される。
特定の誰かにターゲットを絞ってその話題を振るのではなく、「これが私の心理状態です。見たい人は誰でもいいのでどうぞ見てください。」と言わんばかりに。
そのため△94xは “誰にも感情をぶつけることなく感情を伝える形” として芸術的表現を好む。(タイプ4は “人” を意識していて周りの人々に「私の気持ちは重要なんだから気付いてほしい!」と強く思うのに対して、△94xは自分の気持ちに気付いてほしいと願いながらもどこか「自分の気持ちなんて本当は誰にも知らせる価値なんて無いだろう」と思っている所がある。それにタイプ9は自分の気持ちを伝える事によって誰かを傷付ける事を極端に恐れている。)

こうして語られた△94xの悲劇はもはや他の誰かの昔話のように△94xから切り離されている。タイプ4が過去の悲劇を “自分を作り上げた重要なもの” だと受け止めるのに対して、タイプ9は「物語にすればそれはもう私の中にあるものじゃないでしょう?」という感覚がある。“創作物” として外に出す事によって自分の気持ちを “それ” に封じ込め、自分の内部から切り離しているようにも思える。
そのため△94xにとって芸術化された自分の悲劇はもはや “凍てついた過去” なのである。それは決して開かない場所に封じこまれたようなものだ……。△94xは芸術を介して「自分の悲しい物語」を「どこかの誰かの悲しい物語」へと変化させる。そして「私はもう痛みなど感じない」と言う。



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