タイプ9セクシャルは自己感覚を強く持つ
タイプ9は「怒りから気を逸らす」という特徴を持つタイプだと説明されているけど、セクシャル優位のタイプ9に限っては当てはまらない気がしている。
タイプ9の恐れは『喪失と分離・消滅させられること』である。つまり、外界と自分との繋がりが絶たれることを恐れて “単体として存在する自分自身” を見ないようにしよう、自分以外の存在にある要素が自分の中にもあると認識することだけしていようとなるのがタイプ9だ。
「自分でない存在を自分だと信じる」というのは無意識のうちに行われる。自分自身の内部で起きていることを見つめることができないので自分以外の存在にしか意識が向かない、というのがタイプ9の囚われである。
タイプ9の囚われが性的本能(セクシャル)と結びつくと、他者の存在を認知することで自己感覚を得る。
「自分自身をしっかりと見つめている」という自覚がありながら、実際に見つめているは他人なのだ。しかし完全に「相手を見つめる過程」と「自分を見つめる過程」が同期されるので、自分をしっかりと見つめていないとは気付けない。
これがタイプ9セクシャル。
このタイプを他のタイプと区別する最も大きな特徴は「他の人の話を聞くことで “それがまさに自分の説明しようとしていた事だ!” と感じて、相違点が何も浮かんでこない」という所だ。
タイプ9セクシャルは、タイプ9の中で最も自己主張が少ないと言われている。それは「他の人は私のことを私の代わりに全て説明してくれたのだから、もう私から言うことは何もない」と他人の言うこと全面に心から同意してしまうから。人の話を聞いたらもう自分自身の口から言いたいことが無くなってしまうから。
タイプ9セクシャルは「なんかモヤモヤしている」という状態に悩まされやすい。内面に何かあるのだけど、その「何か」がハッキリしなくて、なんとも言えなくて、自分でもよく分からなくて……みたいなもの。それに関して他の人から説明された途端に「そうそう!まさにそんな感じ!そんな気がする!」と内面が一気に鮮明化する。そしてそれを自分のアイデンティティとして扱う。
ここにタイプ9の囚われである『怠惰』が現れている。自分自身の内面を見つめることを放棄し、代わりに自分のアイデンティティに関して他者に説明されることにより、他者の労力(エネルギー)のみで “自分自身” という感覚が成り立っているというもの。自分の内面にあるものを他の人が代わりに言ってくれたのなら、自分はもう十分に自己主張したと思い込んでいる所がある。実際の所はそれを言ったのは自分ではないのにも関わらず、自分自身としては何も主張していないと認めてしまうことはタイプ9セクシャルにとって恐ろしいことだ。
「他の人は何かしたが、自分だけは何もしていない」と認めてしまう事は、まさにタイプ9の恐れる『つながりの喪失・分離』である。そして今まで持っていた自己感覚が実は自分のものではないと気付くことは『消滅させられること』に該当する。
“今まで自分だと感じていたもの” が自分の内面から離れることを恐れて、外の何かや誰かの要素が自分自身の内部にもあると信じることにしがみつく。内面にあるものが誰のものか区別しようとすると、「これは私も感じることができるから私でもあるんだ」という抵抗が生じる。
これが『一体化』や『融合』と呼ばれる。
「今外界にある状態がまさしく自分自身である」という自己認識を持っているのだから、外から気を逸らせない。気を逸らしたら “分離” してしまう。
このことからタイプ9セクシャルは強い怒りのエネルギーを持つとされる。周りの人が怒りを感じていればタイプ9セクシャルはそれと同じ量の怒りを感じる、という点において「怒りを自覚しやすいタイプ」なのだ。タイプ9セクシャルはよく「自分は怒っている」と感じるが、そうした時には周りも緊張感が走っていたりなど何らかの “怒り” の状態にある。
タイプ9の「怒りの感覚から切り離されている」は、決して怒りとは何か知らないというわけではなく、「自分の中で怒りを倍増させるのはとても面倒である」という意味。「怒るんだ」と自分に圧をかけるのは疲れるからやりたくないということ。
周りが怒っているのに何も感じないということは、おそらくない……少なくともタイプ9セクシャルに関しては。
セクシャル優位の特徴として、一点集中する。強いエネルギーを引き起こす対象に興味が引き寄せられ、なかなか離れられない。ガン見してしまう。
この特徴とタイプ9が合わされば「怒っていたり緊張感の走る人の存在が意識から離れないことにより、自分の内面にも緊張感を溜め込んでしまいフラストレーションを感じ続けたり、相手の怒りに反射してキレ返してしまう」という “タイプ9らしからぬ特徴” が生まれる。誰かの緊張感が起因となってイライラした状態に没頭してしまってなかなか落ち着きを取り戻せない事さえある。
特徴をまとめると、タイプ9セクシャルは「最も言葉としての自己主張が少ないが、最も怒りを感じやすく怒りのエネルギーが大きい」となる。
周りが平和である時には存在感は薄く自分から主張はほとんどしないが、周りの空気に応じて怒りはヒートアップさせがちだし爆発させる。周りの人達を通して何かと大きな感情を感じがちなタイプだし、それ故に自分が「怒りから気を逸らす」に囚われているタイプ9だとは気付きにくい所がある。
タイプ9セクシャルの私も、よくタイプ1セクシャルやタイプ8セクシャルなんじゃないかと思えてくるくらい、怒りから気を逸らすタイプ9は自分っぽくないと感じることが割とある。タイプ9にしては自己感覚が強すぎる。
しかしよく考えてみれば私の感情が発生する時は完全に他の人の状態の影響を受けているからタイプ9なのだ。それくらい自分の「穏やかさ」には自覚しにくい。