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タイプ9がもらえなかったメッセージについて考えてみる💭

エニアグラムには『もらえなかったメッセージ』というものがある。

タイプ1:あなたはあるがままでよい
タイプ2:あなたにいて欲しい
タイプ3:あなたはありのままで愛されています
タイプ4:ありのままのあなたをわかっています
タイプ5:あなたが必要とするものがあっても、問題ありません
タイプ6:あなたは安全です
タイプ7:あなたは大事にされます
タイプ8:あなたは裏切られません
タイプ9:あなたが存在していることは、大事です

今回はこの『もらえなかったメッセージ』とはどんなものかについて考察してみる。



「もらえない」という囚われ

『もらえなかったメッセージ』を受け取ることに関して「そんなことありえないでしょ!」と感じて一切を否定してしまうのが『囚われ』であると解釈している。

なぜなら……これは心の深い所を刺激しているから(俗に言う「刺さる」感覚)。
囚われがそのタイプ特有の癖を引き起こし、その癖によって「もう得られないだろう」と諦めているのが『もらえなかったメッセージ』だと言える。心の深い所では、もらえなかったメッセージをもらわないように仕向けているので、それがもらえていると知ることは「そんなはずがない!」という動揺を引き起こす。



タイプ9を例に挙げてみる

タイプ9のもらえなかったメッセージは「あなたが存在していることは重要です」になる。これは英語の原文だと「Your existence is matter.」なので、ニュアンスとしては「あなたが問題を抱えていると、他人から気にかけられる」に近い。
このメッセージを肯定してしまうことは、タイプ9にとっての「恐れ」を引き起こす。なぜなら「私は問題を抱えている時でさえ他人から気にかけられる」ということを認めてしまえば、それはタイプ9が恐れている「他人との間に問題が生じていることを認めること」になってしまうから。
タイプ9は意識上では「他人から大切にされたいな〜」と思いながら、無意識では「何が何でも、他人から気にかけられないようにする」ということをしているタイプである。こんな矛盾が囚われを形成している。


具体例を挙げてみよう。
タイプ9は自分の存在を「大して重要ではない」として扱い、他人を優先させる性格である。こうすることで他人の負担を軽減し、自分は他人に優しくしていると信じている所がある。
しかし、自分の存在を軽視する人を見て心配する人がいるのも事実である。この事実をなかなか認められないのがタイプ9の囚われだ。

「自分を過小評価すると、なぜ他人が心配するんだ?自分は優先されなくて当然な存在なのに」と、タイプ9は思う。

その背景として、自己主張をすることへの恐れが根付いている。自分のニーズを “優先されて当然のもの” のように扱って他人に断らせない空気感へと持って行くことは、タイプ9にとって恐ろしいことである。例えば、人に頼んだり誘ったりする時に相手の意見を伺わずに「ぜひ〇〇しよう!」と一方的な言い方をするなど。「そんな事をしたら嫌われてしまう」と信じている所がある。
なのでそういった状況に陥らないために、遠慮した態度を取ることで他人に何かを強要しないようにする。例えば「もしダメなら大丈夫ですが……」のように。遠慮がちな態度を取ることで繋がりを保てるという信念がある。逆に言えば、遠慮がちな態度は関係性を悪くするはずがないと考えている所がある。

この信念が覆された時に『もらえなかったメッセージ』が刺激される。「こんなメッセージ、もらえるはずがない!」というモヤモヤ感が込み上げてきたり、それがまかり通っている現実への違和感が生じる。
上記の例で言うと、「あなたが過剰に自分を低く見ると、周りの人達はあなたのネガティブな態度に引っ張られるよ」といった内容のことを聞くと「そんなはずないのに……」と非常にモヤモヤしてしまう。自分を低く見て優先順位の下に置くことはタイプ9にとって “普通のこと” であり、そうする事によって平和が保たれるのは “当たり前” なので、それが悪く特徴づけられ際立たられていることに違和感を感じてしまうのだ。
タイプ9は日頃から「他人の重荷にならないように」と心掛けているタイプなので、その心掛けが逆に重荷になっていたと痛感するのは “恐れ” であり、その現実を認めることに大きな精神的ダメージが生じる。



囚われ=そのタイプなりの「普通」かもしれない

エニアグラムの囚われとは何か?と考えていて、言い換えれば「自分にとって当たり前なこと」なのかもしれない。

心の底では「もらえないメッセージをもらえないのは当たり前」として割り切っていて、『超自我の声(〜すれば大丈夫だ)』や『受け取ったメッセージ(〜するのはよくない)』の通りに物事を進めれば根源的欲求が満たされると考えているのが『囚われ』なのだ。
なので、囚われから抜け出すためには「もらえなかったメッセージは本来受け取っている」ということに気付くことが重要だと考えている。

『もらえなかったメッセージ』は理想化されていて、現実の「欲しいメッセージが受け取れる場面」は「恐れ」に該当するという矛盾がある。
こうした「本当は求めていないし避けたいが、表面上取り戻したいと思い込んでいるもの」が『もらえなかったメッセージ』であると考えている。



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