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だんだん心が軽くなっていく

これは幻の曲。

レミオロメンとしてリリース予定だった「シーズンドライブ」が藤巻亮太さんソロのアルバムに初回特典としてひっそりと収録されている。
CDでしか聴くことのできないこの曲に出逢えたことが嬉しくてたまらない。



このまっすぐに延びる道はどこまで続くのだろう。右にも左にも大きな牧場が広がり、点々と転がっている…米俵みたいなやつ。え、あれなに?(牧草ロールというらしい)

そんなことを考えながら広大な天地に車を走らせた。


6月の北海道はとにかく最高のロケーションだった。
予想をしていた以上に!だ。



札幌での結婚パーティーに出席し、翌日からは同行した友人と二人。
旭川、富良野、そして小樽…と大いに観光を楽しむプランを立てていた。

レンタカーを借りて運転を担う。

初めての場所を1人で運転しきるなんて、今なら絶対に拒否をする。
有り余るほどの勢いを纏っていたのは、とにかく若さ故だろう。


慣れ親しんだ実家の車と同じ車種を選び、のんびりのんびり広大な北海道を移動をした。

その時期、日常的によく聴いていた「シーズンドライブ」がBGMだ。


メロディにあわせてトランペットが華やかに相槌を入れる曲に元々惹かれやすかった私は、こちらも例に漏れなく一目惚れ、ならぬ一耳惚れ。

歌詞に描かれる光景がキラキラと眩しくて美しい。


寒かった冬をようやく越えて、やってきた春を花や草や空や風がお祝いしている風景が目に浮かぶ。

自然の幸せをちゃんと拾い上げて、目の前の君や、君との時間を心から慈しんでいる気持ちがぎゅぎゅっと伝わってくるのだ。

とてつもなく爽やかなのは間違いないこの曲。

けれど切なさをも感じる。

何故かといわれるとうまくは説明できない。
でも“この一瞬”の儚さ、美しさを感じるのが原因のひとつではあった。

1秒先に進めばこの一瞬はもう取り戻すことができない。時間は止めることができない。…そういったような類いの切なさだ。


同じく藤巻さんの曲、レミオロメン時代の「花鳥風月」や「海のバラッド」でも同じものを感じる。


平凡な日常や、そこにある自然の積み重ねが今の僕、私を作っているのだというメッセージ。

いま、この一瞬に対して、喜びや幸せを感じることができる人間でありたいと願っているからこそ、とても共鳴してしまう。



記憶と音楽は結び付く。
あのときの爽やかで、切なくて、生まれ変わったと感じた自分を忘れずにいたい。




焦りに飲み込まれそうな日も、無力を突きつけられて惨めになる日も。
「大丈夫。過去も、今も、未来も輝いているよ」と背中を押してくれる音楽。
今日を励ましてくれたあの日の思い出に感謝して、明日も前に進む。

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