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【詩/詞】母

冬に想う
木漏れ日に
描く鮮やかさ
温かな時はすぎて
曇になお覆われて

どうして貴方は
すべてを失うほどに私を
から回るように
赦せないほどに
愛してくれたのだろう

冬晴れの冷たさに
溶け行く太陽
名残り惜しさを
馴染ませるように
白雪の季節に
温かさを編んで
貴方は待っている

白い息を見せまいと
育つ白樺は
手放さぬように
してきた木の葉も
風になお舞わせて

冬晴れの冷たさを
耐え忍ぶ太陽
叶わなぬ夢を
食いしばるように
白雪の無垢に
大地を混えた
貴方を知ってゆく

私の指が冷たさを
紡ぎ出すようになって
貴方の過ちを
赦してしまいそうな
弱き私よ
それでも愛することはできる
春を待つから

新たな香りを
待ち侘びていよう
夢見た花は
まだ手にないけれど
きっと二人とも
幸せになろう






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