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異能学園 -Another person Academy-

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異能学園の本編を小説化
運営しているクリエイター

#小説

深夜の来訪者

「ふぇっくしゅん!」深夜の古ビルの二階から小さくくしゃみの音が聞こえる。大通りの一本裏にあるこの古ビルは三階建てになっており一階が骨董屋、二階に事務所が入っている。
「ふぁー。さっきまでの雨で体冷えちゃったかな…へくちっ!」
長髪の男はくしゃみをしながら、濡れて重い黒色の上着を事務所の床に脱ぎ捨てた。そのまま滑るようにボフッと、来客用のソファーに寝転がる。今にもその場で眠りそうだ。転がった

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雨上がり

「無事に今日の実習が終わってよかったじゃない。ほら、雨もあがってきたし」港での校外実習を終え、麻莉香と帝人は学園へ向かって歩いていた。
昨日の旧体育館での特訓で、なんとか異能力の発動方法と制御の仕方を覚え、校外実習に参加したが、帝人はとても不満げであった。
「ふん。どーだか。昨日散々特訓したのにただ走り回るだけだったじゃねぇか。特訓の意味がねぇ」
「異能の使い方を覚えたから使ってみたいっ

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旧校舎

朝から人の賑やかな声が空を行き交う。ここは異能力を持った学生と持たない学生が通う総合学園施設、聖壱里塚学園。桜も散って若葉が緑に輝いている。ザザーッと風がなびく中、予鈴の鐘が鳴り生徒たちは慌てて校舎へ駆け込んで行った。

「えー。本日は、転校生を紹介する。入れー」クラス担任の言葉により教室の扉がガラッと開く。むすりと不機嫌そうな面持ちで銀髪の少年が教室へ入ってきた。
「転校生の七淵帝人くんだ

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プロローグ

「警察への引き渡しこれで終わったね」ぼつぼつと降り落ちる雨粒をビニール傘で弾かせながら一条麻莉香は、パトカーの近くでふてくされた顔をしている銀髪の少年に言った。
「まったく、なんなんだあの売人は。異能力なんて全くつかってなかったじゃねぇか。事前情報と違うぞアルフリード」と、銀髪の少年。
「まぁ、そういうこともあるさ。誰も怪我人が出なかったのだからよかったじゃないか」と、アルフリードと呼

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