40歳になったから吉井和哉の自伝「失われた愛を求めて」を読みました。
吉井和哉「失われた愛を求めて」読了。
先月、無事に誕生日を迎えて、40歳になった。
私は、40歳になったらまずやることがあった。それは、吉井和哉の自伝を読むこと。
吉井和哉の自伝「失われた愛を求めて」は、2007年に発売されている。私が27歳のときである。あれから13年たって、私はやっと、読了した。
なんでそんなに長いこと読まなかったのかというのは、当時27歳だった私は「赤裸々に書いてあるらしい吉井さんの自叙伝を読んで、吉井さんを嫌いになりたくない」という理由が当時は大きかった。
だから読むことを躊躇していたんだけど、私よりも長く深くTHE YELLOW MONKEYと吉井和哉のファンをしている先輩が、先に読了して、「いつか読みたいと思ったときに読めばいいんじゃない?」といって、本をプレゼントしてくれたのだ。
そして「りんちゃんの情緒が落ち着いてるときに読んで」と言ってくれた。でも、20代の私なんて、情緒が落ち着いてるときなんて一時もなかったから、結局いつ読んでも何かしらの影響がありそうで、結局読めなかった。
そこで思いついたのが、吉井さんがこの本を書いた年齢にまでなれば、私も、たとえどんなことが書いてあっても、同じくらいの目線で読めるかもしれない。そう思ったのだ。
吉井さんはこの本を41歳で書いている。
私は区切りよく、40歳になったら読もう。そう決めて、先輩にプレゼントしてもらった本を、ずっと13年間、本棚に入れておいた。
そうして、先月無事に40歳になった私は、この本を読んだ。
読了した感想としては、やっぱり20代で読まなくて良かった。
それは、吉井さんのことを嫌いになっちゃうかもしれない、とか、そんな生易しい問題ではなかった。
もっと深い、なんか私の心臓の一番奥にあるプライベートのさらに奥を、情緒を揺るがす内容だった。
40歳の今でも、私の情緒はあんまり安定していないけど、それでも20代に比べれば落ち着いたと思う。あのとき、40歳まで読まない、と決めたのは、正解だった。
吉井和哉ってこんな感じの人なんだろうな、っていう感覚は全然間違ってなくて、私が思っていたとおりの人だったし、内容も、こんな感じのことが書いてあるんだろうな、の範疇ではあった。けど、なんていうか、崇拝してるロックスターが自死したら後追いしちゃう若いファンみたいな、そんな感覚に陥る本であることは確かで、そう思うと、やっぱり20代でこの本を読まなかったことは、私にとっては正しいことだったんだと思う。
この本が出版されてから、吉井さんは離婚もして再婚もして孫も生まれて再婚相手との子供も生まれて、さらにTHE YELLOW MONKEYが再結成してアルバム出してツアーもやって。私がこの本を本棚に置いたままにしておいた13年の間にいろんなことがあった。私の13年にもいろんなことがあった。
この13年で私もきっと少し大人になったし、情緒の揺らぎも少しは安定してきた。でも、それでも私の人生のテーマソングみたいな吉井和哉の存在が、今まで以上に意味深く、今後の私の人生を一緒に歩んでくれる歌になることは間違いないと思う。
思ってたとおりの人だったし、思っていたとおりのセンセーショナルな内容ではあったけど、私は余計に吉井和哉が好きになったよ。それはたぶん、私が40歳になったから、言えるんだよ。
これからもファンだよ。
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