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茜色に焼かれる

オノマチ劇場、その二。(その一は「やくざと家族」)

石井監督の作品は大好きなのと受け入れがたいのに大きく分かれるんだけどこれは好きなほうだった。(えらそう)

出てくる男たちのだめっぷりがすごい。唯一役に立った店長だってかなりやばい。あとはほんとに役立たずばかりで、目当てのオダジョーは開始2分で消えたし、なのに存在感がはんぱなくてずっとダメだけど魅力的な奴だったというのがこの映画の底流にあるのが、逆にすごいよとなった。

どれもクソのような連中ばかりで、いかに男社会というのが、特定のおんなたちを見くびっているのかがわかる映画でもある。それでも、彼女は「腑に落ちなかった」ことに妥協しないで風俗で体をはる。その潔さはいかがなものだろうとは思うけど、理は通る。男たちのダメさはその理が通らないところにあるんだと、思う。

子がいるおんなの強さと弱さ。そういう役どころが似合う年齢になってますますご活躍なのだけれど、コロナのせいで公開時期が重なったりずれたりしたせいなのか、視点は違うけれど、次の「明日の食卓」もまた同じような、子を持つおんなの強さと弱さの話だったりするのだ。印象がだぶってしまうのだけが残念。どれも怪演だと思うだけに、、

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