或る終焉
シネフィルの無料期間が終わるなぁとなにか観れるものないかなぁとふらついていて、ふっと観ちゃった。ふっと観ちゃいけない奴だった。
重い題材、台詞量の少なさ、音の静けさ、淡々と進む物語、
贖罪の日々を、死に向かう人々のお世話をする形で過ごす一人の男の話。彼が送った病気の息子。よって失った妻と娘。その決断を悔いてはいないようだが、罪の意識は当然のようにあるようで、死にゆく人々に寄り添って、看護人・介護人のプロとしてなにからなにまでを担う。だけど最初の場面からほんの少しの違和感があった。俳優さんの力量によるものかなと思うけど、演出なのかもしれない。二人目のおじいちゃんとの会話の作り方には明らかな違和感を感じた。だからこそ変に誤解されて解雇されちゃうんだけど、あれは家族による嫉妬だなぁとも思う。そして、彼はまた終焉を手伝うことになる。
ドクターデスの世界かとその後はどうなるんだと息をのんでいたら
彼がひたすら走っている、どうも左右に走る車が多いなぁとおもっていたら、「或る終焉」が訪れる。もうね、言葉出ませんというか、え、これで終わりなのと言ってしまうというか、余韻半端ありません、いったいこの映画はなんですかと、調べたら、数年前のカンヌでなんか取ってた。
びっくりはしたけど嫌いじゃない。多くを語りすぎないのは映画の美徳だ。