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ひらひらと降り積み続く後悔を花片か雨雪選ぶはわたし

 先日、看護協会主催の研修会へ久しぶりに参加しました。在宅・施設ナース対象の『生きるを支えることができる看護』について。 その研修で思いがけないことに、私自身が…

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1年前

鏡より醜く見えてしまうから写真フォルダは景色が並ぶ

TVはあまり見ません、ニュースとちょっとした情報番組。あとはamazonやネトフリ三昧です。そんな私ですが最近とても気になったTVCMがあります。  某セニアカー、運転して…

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1年前
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縁側で足をぶらぶらさせている西瓜の黒子頬撫でる風

 夏に母の実家へ行く。子供時代の恒例行事。 冷たいスイカを、大きく切ったそれを縁側で頬張る。まるで絵に描いたような夏の一日。もう手の届かない過ぎ去った時間。  …

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2年前

朝顔のつゆで描かれし金魚かな指から溢れ空に消えゆく

 日本人あるあるなのかもしれない。 日本以外では住んだ事がないからかもしれない。夏は何となく特別な感じがする。 朝顔や花火、短いけど暑くて暗い夜、皮膚を焼く太陽。…

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2年前
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太陽と月が交代するだけで世界は変わり日々累々たる

世の中、色々な出来事があり 私達は迷い翻弄されている。 このままではダメだと常に考え ネガティブの強い渦に引き込まれそうになる。 ポジティブが良いと分かってはいるが…

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2年前
1

見上げれば桜花渦巻く足元に気高く薫るすみれ一輪

満開の桜はよいものです。 春が来たなぁ。 世界が桜色に染まり明るく見えます。 咲いて喜び、散るのも美しい桜🌸 ただ、喜んでいるのはこちら側(人間)の勝手で 桜自身は『…

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2年前
1

心得を間違う事も多々あれどそれも道なりたのしからずや

髙田郁先生、  世の中は不穏なニュースで溢れていますが、季節は一気に春となりました。先生はいかがお過ごしでしょうか。  あきない世傳 金と銀 12巻目。一気に読…

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2年前
1

あの時に戻れるのなら仕事なぞ休みあのこを抱きしめていた

 東日本大震災から11年目。 あの日は私と愛犬の別れの日となった。  彼は若くは無かったけれど調子が悪い訳ではなく、あの日の朝もいつもと変わりなく、日課の散歩をし…

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2年前
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アカシアを抱える彼の娘は花も見ず時は駆け抜けほろ苦甘し

 ミモザの季節である。 私が若い頃はあまり出回っていなかったので、昨今のもてはやされ方はSNSの影響だと思う。  ミモザとのファーストコンタクトは『空中アトリエ』と…

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2年前
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風の音は実は木の音モノの音私はココロに柳を置こう

 コロナ禍ではあるが気分転換は大事。 2月はキャンプに出かけた。秋冬キャンプは3年目である。  時は寒波が日本を襲った頃。地元は暖かい雪無しなのに寒い事寒い事。風も…

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2年前

鳥の巣に五輪宴の星が舞う終わりよければすべてよしかな

 正直なところ、スポーツ自体に興味がないのでオリンピックはニュースでチラチラ見る程度だった。フィギュアスケートとかスノーボードとかはショウの要素が強いので楽しく…

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2年前
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手にしたがその手間想いに気が怯みダストシュートに送るチョコ菓子

 明日はバレンタインデー。 100円ショップやスーパーでは手作りキットや菓子の材料が並び、SNSは菓子のレシピが溢れている。そんなこの時期に私は思い出す人がいる。  …

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2年前
ひらひらと降り積み続く後悔を花片か雨雪選ぶはわたし

ひらひらと降り積み続く後悔を花片か雨雪選ぶはわたし

 先日、看護協会主催の研修会へ久しぶりに参加しました。在宅・施設ナース対象の『生きるを支えることができる看護』について。
その研修で思いがけないことに、私自身が強く励まされる事になるとは!
講師は山梨県立大学大学院 がん看護学教授 前澤美代子先生。

 先生はハッキリキッパリ断言された。
『生きるということは危機とストレスの連続であり、人は後悔するものなのです。たた、私たちはその後悔の質を変える援

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鏡より醜く見えてしまうから写真フォルダは景色が並ぶ

鏡より醜く見えてしまうから写真フォルダは景色が並ぶ

TVはあまり見ません、ニュースとちょっとした情報番組。あとはamazonやネトフリ三昧です。そんな私ですが最近とても気になったTVCMがあります。

 某セニアカー、運転しているのは60歳代くらいの綺麗めな奥様。笑顔でオシャレに免許がなくても乗れるの、お母さん良かったね。
…いや、こんなしっかりされついる風の人ならまだ自動車でしょ、母の日プレならまだ電動自転車でしょ、ターゲットはどの世代なの?
 

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縁側で足をぶらぶらさせている西瓜の黒子頬撫でる風

縁側で足をぶらぶらさせている西瓜の黒子頬撫でる風

 夏に母の実家へ行く。子供時代の恒例行事。
冷たいスイカを、大きく切ったそれを縁側で頬張る。まるで絵に描いたような夏の一日。もう手の届かない過ぎ去った時間。

 人間は失った時にそれが宝物だったと気がつくらしい。手元にある時は何とも思わないくせに。ただ心のトランクにはしまっておく事ができるようである。
 私は失ったモノを悔しがったり悲しむのではなく、時々ひとりでトランクを開けてこっそり愛おしみたい

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朝顔のつゆで描かれし金魚かな指から溢れ空に消えゆく

朝顔のつゆで描かれし金魚かな指から溢れ空に消えゆく

 日本人あるあるなのかもしれない。
日本以外では住んだ事がないからかもしれない。夏は何となく特別な感じがする。
朝顔や花火、短いけど暑くて暗い夜、皮膚を焼く太陽。

 ただ、それらは強い残像となり消える。花火の様に。後に残されたわたしは寂しさを味わいながら、その寂しさも宝のひとつなのだと思う。

太陽と月が交代するだけで世界は変わり日々累々たる

太陽と月が交代するだけで世界は変わり日々累々たる

世の中、色々な出来事があり
私達は迷い翻弄されている。
このままではダメだと常に考え
ネガティブの強い渦に引き込まれそうになる。
ポジティブが良いと分かってはいるが
ネガティブはとてもエネルギーが強いのだ。

でも
何もしなくても
動かなくても
世界は常に変化している。
人間のちっぽけな感情とは関係がない。
その中に私はいる。

私は、大きな世界の中にただ在る。

見上げれば桜花渦巻く足元に気高く薫るすみれ一輪

見上げれば桜花渦巻く足元に気高く薫るすみれ一輪

満開の桜はよいものです。
春が来たなぁ。
世界が桜色に染まり明るく見えます。
咲いて喜び、散るのも美しい桜🌸

ただ、喜んでいるのはこちら側(人間)の勝手で
桜自身は『褒めて〜喜んで〜』
なんて考えてはいない、きっと。
そして足元に咲く菫も同じく。
『私、ここにいるのよ〜上ばかり見ないで〜』
なんて考えてはいない、多分。

それぞれの花の様に
自分が咲かせる事ができる花を
ただ淡々と咲かせる様に

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心得を間違う事も多々あれどそれも道なりたのしからずや

心得を間違う事も多々あれどそれも道なりたのしからずや

髙田郁先生、

 世の中は不穏なニュースで溢れていますが、季節は一気に春となりました。先生はいかがお過ごしでしょうか。

 あきない世傳 金と銀 12巻目。一気に読みました。そして二度三度、今度は気になるところを繰り返したりして。

 チーム五十鈴屋、幸さんを船頭に大波小波の世を工夫して…売る方も買う方も幸いとwin-winでなおかつ誠実清浄、組織と仕事のお手本だといつも気が引き締まります。
 そ

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あの時に戻れるのなら仕事なぞ休みあのこを抱きしめていた

あの時に戻れるのなら仕事なぞ休みあのこを抱きしめていた

 東日本大震災から11年目。
あの日は私と愛犬の別れの日となった。

 彼は若くは無かったけれど調子が悪い訳ではなく、あの日の朝もいつもと変わりなく、日課の散歩をした。そして私は出勤する。天気の良い日。
 そして、午後。
 私の住んでいる地域は大きく揺れはしたが、
死傷者は一桁で被害は軽かった。
まさか、彼が玄関先で冷たくなっているとは。

 大きな地震でびっくりしたのかな。
 怖かっただろうな。

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アカシアを抱える彼の娘は花も見ず時は駆け抜けほろ苦甘し

アカシアを抱える彼の娘は花も見ず時は駆け抜けほろ苦甘し

 ミモザの季節である。
私が若い頃はあまり出回っていなかったので、昨今のもてはやされ方はSNSの影響だと思う。

 ミモザとのファーストコンタクトは『空中アトリエ』という児童文学の中だった。主人公は自由な母を持つ女の子で、ある日晩ごはんの食材が無く、ママは飾ってあったアカシアの花を天ぷらにするシーンが印象的だった。

 時は過ぎ20代前半、私はクリニックに勤務する看護師で往診に同行していた。伺った

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風の音は実は木の音モノの音私はココロに柳を置こう

風の音は実は木の音モノの音私はココロに柳を置こう

 コロナ禍ではあるが気分転換は大事。
2月はキャンプに出かけた。秋冬キャンプは3年目である。
 時は寒波が日本を襲った頃。地元は暖かい雪無しなのに寒い事寒い事。風も強くて焚き火を早々と始末して寝袋に潜り込んだ。

 風が強い。周りの木々が大きくうねる、山が揺れている、襲いかかってくる様な音が怖い。
ヒトのココロとか人間関係のようだ、と思った。
何かの事象を人間に置き換えて考える癖があるのだ。

 

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鳥の巣に五輪宴の星が舞う終わりよければすべてよしかな

鳥の巣に五輪宴の星が舞う終わりよければすべてよしかな

 正直なところ、スポーツ自体に興味がないのでオリンピックはニュースでチラチラ見る程度だった。フィギュアスケートとかスノーボードとかはショウの要素が強いので楽しく見れるが、他は良く分からない。
 その上、昨年の東京五輪といい今回の北京冬季五輪といい、コロナ禍だし、不正とか色々スポーツ以外のネガティブな情報があまりに多くて、無関心に拍車をかけた様な気もする。
 ただ、チラとみた閉会式の様子はとても美し

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手にしたがその手間想いに気が怯みダストシュートに送るチョコ菓子

手にしたがその手間想いに気が怯みダストシュートに送るチョコ菓子

 明日はバレンタインデー。
100円ショップやスーパーでは手作りキットや菓子の材料が並び、SNSは菓子のレシピが溢れている。そんなこの時期に私は思い出す人がいる。

 以前、一緒に仕事をした脳外科の医師は、
「俺はチョコはいらないぞ、受け取らないからな」と毎年宣言し、本当に受け取らなかった。
別に楽だから良いのだが、少しもやっとする。
でも、今になり分かるのだ。
 コロナ禍で他人との関わり方が変化

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