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  • 短歌でノート 大人の作文

    日々思うことを綴ります

最近の記事

ひらひらと降り積み続く後悔を花片か雨雪選ぶはわたし

 先日、看護協会主催の研修会へ久しぶりに参加しました。在宅・施設ナース対象の『生きるを支えることができる看護』について。 その研修で思いがけないことに、私自身が強く励まされる事になるとは! 講師は山梨県立大学大学院 がん看護学教授 前澤美代子先生。  先生はハッキリキッパリ断言された。 『生きるということは危機とストレスの連続であり、人は後悔するものなのです。たた、私たちはその後悔の質を変える援助をする事ができます。そのためには良く考えること、そして自分で選ぶこと』  私

    • 鏡より醜く見えてしまうから写真フォルダは景色が並ぶ

      TVはあまり見ません、ニュースとちょっとした情報番組。あとはamazonやネトフリ三昧です。そんな私ですが最近とても気になったTVCMがあります。  某セニアカー、運転しているのは60歳代くらいの綺麗めな奥様。笑顔でオシャレに免許がなくても乗れるの、お母さん良かったね。 …いや、こんなしっかりされついる風の人ならまだ自動車でしょ、母の日プレならまだ電動自転車でしょ、ターゲットはどの世代なの?  気になったのでちょっとサイトをのぞいてみた。今までのセニアカーよりシンプルオシャ

      • 縁側で足をぶらぶらさせている西瓜の黒子頬撫でる風

         夏に母の実家へ行く。子供時代の恒例行事。 冷たいスイカを、大きく切ったそれを縁側で頬張る。まるで絵に描いたような夏の一日。もう手の届かない過ぎ去った時間。  人間は失った時にそれが宝物だったと気がつくらしい。手元にある時は何とも思わないくせに。ただ心のトランクにはしまっておく事ができるようである。  私は失ったモノを悔しがったり悲しむのではなく、時々ひとりでトランクを開けてこっそり愛おしみたいと思う。

        • 朝顔のつゆで描かれし金魚かな指から溢れ空に消えゆく

           日本人あるあるなのかもしれない。 日本以外では住んだ事がないからかもしれない。夏は何となく特別な感じがする。 朝顔や花火、短いけど暑くて暗い夜、皮膚を焼く太陽。  ただ、それらは強い残像となり消える。花火の様に。後に残されたわたしは寂しさを味わいながら、その寂しさも宝のひとつなのだと思う。

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        • 短歌でノート 大人の作文
          1本

        記事

          太陽と月が交代するだけで世界は変わり日々累々たる

          世の中、色々な出来事があり 私達は迷い翻弄されている。 このままではダメだと常に考え ネガティブの強い渦に引き込まれそうになる。 ポジティブが良いと分かってはいるが ネガティブはとてもエネルギーが強いのだ。 でも 何もしなくても 動かなくても 世界は常に変化している。 人間のちっぽけな感情とは関係がない。 その中に私はいる。 私は、大きな世界の中にただ在る。

          太陽と月が交代するだけで世界は変わり日々累々たる

          見上げれば桜花渦巻く足元に気高く薫るすみれ一輪

          満開の桜はよいものです。 春が来たなぁ。 世界が桜色に染まり明るく見えます。 咲いて喜び、散るのも美しい桜🌸 ただ、喜んでいるのはこちら側(人間)の勝手で 桜自身は『褒めて〜喜んで〜』 なんて考えてはいない、きっと。 そして足元に咲く菫も同じく。 『私、ここにいるのよ〜上ばかり見ないで〜』 なんて考えてはいない、多分。 それぞれの花の様に 自分が咲かせる事ができる花を ただ淡々と咲かせる様に生きたいです。 実は承認欲求と煩悩の塊である私ですが。

          見上げれば桜花渦巻く足元に気高く薫るすみれ一輪

          心得を間違う事も多々あれどそれも道なりたのしからずや

          髙田郁先生、  世の中は不穏なニュースで溢れていますが、季節は一気に春となりました。先生はいかがお過ごしでしょうか。  あきない世傳 金と銀 12巻目。一気に読みました。そして二度三度、今度は気になるところを繰り返したりして。  チーム五十鈴屋、幸さんを船頭に大波小波の世を工夫して…売る方も買う方も幸いとwin-winでなおかつ誠実清浄、組織と仕事のお手本だといつも気が引き締まります。  そして、先生の作品はさらに別の味があります。今回登場がなかった、しかし色々見えない

          心得を間違う事も多々あれどそれも道なりたのしからずや

          あの時に戻れるのなら仕事なぞ休みあのこを抱きしめていた

           東日本大震災から11年目。 あの日は私と愛犬の別れの日となった。  彼は若くは無かったけれど調子が悪い訳ではなく、あの日の朝もいつもと変わりなく、日課の散歩をした。そして私は出勤する。天気の良い日。  そして、午後。  私の住んでいる地域は大きく揺れはしたが、 死傷者は一桁で被害は軽かった。 まさか、彼が玄関先で冷たくなっているとは。  大きな地震でびっくりしたのかな。  怖かっただろうな。  心細かっただろうな。  私を探したのかな。  あの時、もし一緒にいたら、、

          あの時に戻れるのなら仕事なぞ休みあのこを抱きしめていた

          アカシアを抱える彼の娘は花も見ず時は駆け抜けほろ苦甘し

           ミモザの季節である。 私が若い頃はあまり出回っていなかったので、昨今のもてはやされ方はSNSの影響だと思う。  ミモザとのファーストコンタクトは『空中アトリエ』という児童文学の中だった。主人公は自由な母を持つ女の子で、ある日晩ごはんの食材が無く、ママは飾ってあったアカシアの花を天ぷらにするシーンが印象的だった。  時は過ぎ20代前半、私はクリニックに勤務する看護師で往診に同行していた。伺ったのは寝たきりのお爺さんはいるが豊かで温かいお宅だった。天気の良い土曜日だった。奥

          アカシアを抱える彼の娘は花も見ず時は駆け抜けほろ苦甘し

          風の音は実は木の音モノの音私はココロに柳を置こう

           コロナ禍ではあるが気分転換は大事。 2月はキャンプに出かけた。秋冬キャンプは3年目である。  時は寒波が日本を襲った頃。地元は暖かい雪無しなのに寒い事寒い事。風も強くて焚き火を早々と始末して寝袋に潜り込んだ。  風が強い。周りの木々が大きくうねる、山が揺れている、襲いかかってくる様な音が怖い。 ヒトのココロとか人間関係のようだ、と思った。 何かの事象を人間に置き換えて考える癖があるのだ。  ヒトも木もモノも、横風に弱いと思う。風は空気を攪拌し新しいモノを運び不要なモノを

          風の音は実は木の音モノの音私はココロに柳を置こう

          鳥の巣に五輪宴の星が舞う終わりよければすべてよしかな

           正直なところ、スポーツ自体に興味がないのでオリンピックはニュースでチラチラ見る程度だった。フィギュアスケートとかスノーボードとかはショウの要素が強いので楽しく見れるが、他は良く分からない。  その上、昨年の東京五輪といい今回の北京冬季五輪といい、コロナ禍だし、不正とか色々スポーツ以外のネガティブな情報があまりに多くて、無関心に拍車をかけた様な気もする。  ただ、チラとみた閉会式の様子はとても美しく、五輪関連のネットニュースでは、最近中国の若い人達の間では『儀式感』という言葉

          鳥の巣に五輪宴の星が舞う終わりよければすべてよしかな

          手にしたがその手間想いに気が怯みダストシュートに送るチョコ菓子

           明日はバレンタインデー。 100円ショップやスーパーでは手作りキットや菓子の材料が並び、SNSは菓子のレシピが溢れている。そんなこの時期に私は思い出す人がいる。  以前、一緒に仕事をした脳外科の医師は、 「俺はチョコはいらないぞ、受け取らないからな」と毎年宣言し、本当に受け取らなかった。 別に楽だから良いのだが、少しもやっとする。 でも、今になり分かるのだ。  コロナ禍で他人との関わり方が変化して、家族やより親密な人と他人との線引きがシビアになった。手作りの物をあげるいた

          手にしたがその手間想いに気が怯みダストシュートに送るチョコ菓子