エイチエムピー・シアターカンパニー『アラビアの夜』キャスト紹介
はじめに
改めまして。このたび10月31日(木)~11月5日(火)に心斎橋の劇場、ウイングフィールドにて上演される『アラビアの夜&メイド・イン・ジャパン』に参加しております、伊藤芳樹と申します。
僕はエイチエムピー・シアターカンパニーさんの稽古場で、「稽古見学ログ」をつけています。
これは、所属している劇団プロトテアトルの演出部というセクションへ主にお任せしている「稽古場ログ」の延長線上であって、せっかくなので今回は僕なりにアレンジして記録を続けようと考えました。
キャスト紹介
ここからは、前述のログの切り抜きを貼って、簡単にキャスト紹介をしていきます。
役の説明は僕なりの解釈ですし、全員が初対面なので、あくまで僕のファーストインプレッションとなりますが、参考程度にお読みください。
アンドヨ美穂
一人目はフランツィスカ役のアンドヨ美穂さん。
フランツィスカは、毎晩深い眠りにつき、その日の出来事を覚えていません。
どうやら異界の女から呪いをかけられて自らを忘却しているらしく、そんな彼女に翻弄される人々の織り成す物語が『アラビアの夜』……そう表現しても過言ではないと思います。
アンドヨさんは透明感がすごいです。最若手と思えない落ち着きもあり、フィードバックでどんどん良くなっていく、センスの塊。
戯曲上で、さらには前回の記事にも書いた通り、笠井さんの演出でも重要な局面を担っていますが、その大役をものともしない胆力で素晴らしい演技を披露してくださっています。
藤田和広
二人目はカリル役の藤田和広さん。
カリルはファティマの恋人で、バイクに乗って登場人物たちの住むマンションを訪れます。
ある夜、いつものようにやって来たカリルは出会うはずのないフランツィスカと出会って……。
藤田さんは甘いマスクと、豊かな表情が印象的。淡々と、しかし丁寧かつ安定した演技でまわりを支えています。
とくに終盤の「飲み込まれていく」シーンは圧巻。序盤の落ち着いた雰囲気とのコントラストで、劇が引き締まります。
個人的には、この方が潤滑油となって作品をまわしている気がします。
高橋紘介
三人目はローマイアー役の高橋紘介さん。
ローマイアーはマンションの管理人であり、フランツィスカに魅入られていく男たちの中、ひとりだけ異なる役割を与えられています。
高橋さんはとにかく存在感があります。自分の頭でよく考えている印象で、演出家への提案、擦り合わせを頻繁に行っています。座組になくてはならない存在じゃないかな?
ログには「好き」という、謎の告白もありますね。とても魅力のある俳優さんです。
河元ケンヂ
四人目はカルパチ役の河元ケンヂさん。
カルパチは向かいの建物からフランツィスカのことをのぞき見していて、やがて小さなコニャック瓶に閉じ込められてしまいます。
河元さんは誠実な演技をされます。ユーモラスでチャーミングなのに、思ったより真面目さが滲み出ており、その塩梅が絶妙です。
今回、僕は演出面からカルパチの立ち位置が難しいと感じていて、もしかしたら苦労されているかもと思いますが、反面たいへん期待できるのでがんばってほしいなーと応援しています。楽しみ。
安部洋花
五人目はファティマ役の安部洋花さん。
ファティマはカリルの恋人です。そしてカリルを愛するがゆえに、終盤とんでもない事態に発展します。
安部さんは表情、身体の使い方、台詞の発声、すべておもしろい。
ログに「おもしろい」と二回も書いているくらいにはおもしろく、座組のエンジンとして機能しています。
僕が伺った初日には欠席で、翌日にはじめて演技を目の当たりにしたのですが、明らかに空気が変わった感じがありましたね。
実力派の、素敵な俳優さんだと思います。
おわりに
いかがだったでしょうか。
キャストさんたちの溢れる魅力がすこしでも伝わっていたらうれしいです。
きっと、おもしろい上演になると思いますので、ぜひとも劇場まで足をお運びください。
それでは、またどこかで。
(了)
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