Bourgogne Rouge 2004 / Lou Dumont
<タイプ>
赤
<生産者>
Lou Dumont
<品種>
ピノ・ノワール 100%
<産地>
フランス・ブルゴーニュ
<価格帯>
4000円強
<コメント>
実はあまり飲んでいなかった広域のブルピノ、著名な日本人生産者、非常に古いヴィンテージ、ということで興味をそそられ購入。2日間で概ね飲みきった後諸事情あり間が空いて6日目に最後の残りを飲みました。
開栓直後からブランデーを思わせるような甘い樽香がなかなかのボリュームで香ります。グラスに注ぐとエッジが少しレンガ色で熟成を感じさせる色合い。熟した黒系果実の甘やかさもありますが、香ばしい樽の要素が最も目立ち、血や腐葉土のようなもう少し重厚な要素も少し感じられます。味わいは年月を経ているだけあって角はなく、少しの甘さと酸が調和、タンニンは完全に溶け込んだ印象で非常によくまとまっています。なかなか濃さもあるワインで、フィネスという感じではないですが、旨味もあってまったりしつつもエレガントです。2日目も印象は変わらず、引っかかるところが全くないワイン。そして驚くべきはかなりたった6日目もまだ同じような印象だった事。自然派ワインではないので、しっかりSO2なんかも入っているのでしょうが、予想以上の安定感がありました。
<感想>
2004年の広域ブルピノという事前のイメージに反してかなり濃さも残ったワインでした。枯れている印象は全く受けず、熟れた感じが強くなる前に味わいが調和したところで止まっている印象です。この時点で飲んでも結構な濃さで、また樽香が強いこともあってなんとなくブルゴーニュとは思えない印象。元がどういうワインだったのか気になりますが、広域ブルピノとしてはかなり濃いタイプだったのかもしれません。また、香りに感しては樽香が中心で、もっと上のクラスに有る様な複雑性や甘やかな果実香が圧倒する、という感じではなく、ともすると樽が目立ちすぎている様な印象も受けました。とはいえ、熟成によりとてもよく調和した味わいはかなりのもの。ついつい杯が進むワインでした。当然他のブルピノと比べてもかなり濃い印象で、ブルゴーニュに求めるのはこれではない、という感じも否めないですが味わいの丸みはかなりのものです。なかなかこのヴィンテージを狙って買うのは難しいですが、コスパは悪くはないと思います。
食事との相性という意味では肉系には割と全方位に対応しているような気がします。ただ普通のピノと違い鶏の塩焼きなどよりは甘辛い煮付け、すき焼きなど甘さがある料理がいいかもしれません。
また、飲み頃としては、すでに味わいは調和しておりこれ以上置いて良くなるイメージはあまり湧かないワインです。もっと置くと枯れた感じが加わって複雑性が出てくる可能性もなきにしもあらずかとは思いますが、単に枯れてしまう可能性もあって、それなりにリスキーな気はします。広域ブルピノで17年前なので、やはりすぐに飲んだ方が無難でしょう。
<得点>
80点